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漫画読書日記

自己満足の為の読書感想文。

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最近購読した漫画23【新刊/ホラー漫画】



 特定のジャンルに絞って新刊を買う事は余り無いのですが、この時期、短期間の間に買ったホラー漫画の冊数がそれなりに纏まっていたので、今回はホラー漫画のみを集めてみました。と言っても3種類だけですが。去年の12/12・今年の1/9・1/15・1/17に購入。

 「彼岸島(HIGANJIMA)」  松本光司(MATSUMOTO KOUJI) 29・30・30巻(限定版)・・・・・「週刊ヤングマガジン」2002年49号から現在も連載中。旧日本軍により、土着の風土病を研究して生み出された吸血鬼に支配された島での、人間対吸血鬼の戦いを描いたホラー漫画。28巻までを読んだ時点では、目的がスムーズに達成されず、話がドンドン横道へ逸れて行っている様な展開に多少違和感を感じていたのですが、29巻と30巻を続けて読んで、この作品に於けるストーリー構成のからくりが少し解った様な気がしました。それは「目的を果たす上で想定される最悪の事態に、必ず陥ってしまう」と言う事です。「敵に見付かってはいけない」という場面では必ず敵に見付かり、「敵に捕まってはいけない」という場面では、ほぼ確実に敵に捕まってしまう。そしてその「最悪の事態」をどの様に脱するかが、この作品の見所であり面白さに繋がってもいる様です。
 こうしたストーリー展開は福本伸行(FUKUMOTO NOBUYUKI)のほぼ全ての作品に当て嵌まる傾向で、私が初めて「彼岸島」を読んだ時に「福本伸行の作品に似ている」と感じたのも、これが原因だった様に思われます。そう言えば荒木飛呂彦(ARAKI HIROHIKO)の「ジョジョの奇妙な冒険(JOJO NO KIMYOU NA BOUKEN)」でも、各章の最後の敵は、必ず究極の力を手に入れていましたよね。どうやらレベルの高い面白さを提供する為には必須の創作方法である様です。作者はかなり頭を悩ませなければならないでしょうが…。
 さて内容についての感想です。29巻での、命を賭してユキを助けたケンちゃんの活躍に、涙が出そうなぐらいに感動したのですが、30巻のまり子(MARIKO)の恐ろしさに、それ以前の出来事は全て吹っ飛んでしまいました。まり子怖ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!(TДT)次巻予告で、まり子にも何か事情がありそうだという事が解るのですが、幾ら自分が悲しい過去を背負っているからと言っても、それが他人に何をしても良いという免罪符にはならないでしょう。箍が外れた残虐性を存分に解放する異形の姿の怪物…余りにも恐ろし過ぎる存在です。…あと、護衛隊長が何だか憎めないキャラなので、何とか助けてあげて欲しいものだと思います。
 限定版は番外編を収録した特製ブックレットとドラマCDとのセットになっている様ですが、何だかもったいなく思えて、未だに開封していません…。

 「学校であった怖い話(GAKKOU DE ATTA KOWAI HANASHI)」 今井康絵(IMAI YASUE)他・・・・・7人の作家による、学校で起こった恐ろしい出来事を集めたホラーアンソロジーコミック。7作品中5作品が「ちゃおデラックス」2005年8月25日号に掲載された物で、残りの2作品は描き下ろし。どの作品も現在主流の可愛らしい萌え系の絵柄で、怖さはそれなりですが、本来の対象年齢層である小中学生の女子が読めば、より感情移入度が深まって怖く感じられるのではないかと思います。因みに、昔パンドラボックスから発売されたノベルゲームの「学校であった怖い話」とは、関連性は無い様です。
 「呪信メール(JYUSHIN Mail)」今井康絵(IMAI YASUE)・・・何万台かに1台の割合で、悪い念や悪い霊をキャッチしてしまう携帯電話があると言う。仲の良い4人の携帯電話に同時に呪いのメールが送られてきたその日から、毎日1人ずつ行方不明になってしまい、最後に残された少女は、自分の携帯電話が呪われている所為で皆が消えてしまったと思い悩むが…。
 「希望の女神(KIBOU NO MEGAMI)」清水真澄(SIMIZU MASUMI)・・・ある日携帯電話に送られて来た、祈れば何でも願いを叶えてくれるという女神の待ち受け画像。しかし願いを叶える度に、自分が無意識の内にそれに繋がる行動を取っていた様子が携帯に写し出され…。最後の理由付けが今一つですが、「無意識の内に自分自身が願いを叶える為の行動を取っていた」という展開は非常に恐ろしく感じられました。
 「Death Spiral〜永遠の呪縛〜(Death Spiral 〜EIEN NO JYUBAKU〜)」小室栄子(KOMURO EIKO)・・・朝から生魚を旨そうに頬張る両親。学校に行けばクラスメートばかりか先生にまで虐められ、唯1人味方をしてくれた少女は、苦しみから逃れる為にと、飛び降り自殺を強要する。朝起きた時から感じていた違和感。この世界は果たして現実なのだろうか…?
 「未来ダイアリー(MIRAI Diary)」栖川マキ(SUGAWA MAKI)・・・書いた覚えの無い明日の日記。「クラスの皆から嫌われる」「彼氏から『距離を置こう』と言われる」…身に覚えが無いにも関わらず、不吉な日記の予言通りの事が次々と起こってしまう。ある時、自分には双子の姉が居たという事実を父から聞かされ…。
 「呪いのたて笛(NOROI NO TATEBUE)」牧原若菜(MAKIHARA WAKANA)・・・リコーダーを吹くのが苦手な少女が、テストの日に忘れてしまったリコーダーの代わりに、偶然見付けた古いリコーダー。それを吹くと、とても綺麗な音が出て皆を感心させるが…。霊の正体と主人公に取り憑いた理由が不明な所が、逆に良かった。
 「月女神の階段〜黒の事件簿〜(Diana NO KAIDAN 〜KURO NO JIKENBO〜」早津ちさと(HAYATSU CHISATO)・・・全寮制のお嬢様学校内にある、中等部寮・ディアナ館に伝わるある噂。そしてその噂に纏わる「呪い」によって、過去何人かの女生徒が命を落としていると言う。父と理事長の手引きにより、呪いについて調べる為に転入して来た麻生芽衣(ASOU MEI)は、同様に過去の事件を探る為に転入して来たと言う桐嶋薫(KIRISHIMA KAORU)と出会う。呪いの存在を疑う芽衣と、事件には生身の人間が関わっている筈だと言う薫。果たして真相は…?この作品のみハッピーエンドで終わっており、芽衣と薫の2人を主人公にした他の話も作れそうな印象。
 「ヒュ〜ドロドロ いながわクン!!(HYU〜 DORODORO INAGAWA-KUN!!)」兎野みみ(USAGINO MIMI)・・・1P物のギャグ漫画4編。怖さを我慢して好きな女の子の前で虚勢を張るも、マイペースな彼女に何時も酷い目に遭わされるいながわくんが哀れだ。

 「サタニスター(Satanister)」 三家本礼(MIKAMOTO REI) 2・3・4・5巻・・・・・「ホラーM」2005年11月号〜2008年6月号に連載。サタニスターとは闇バチカンから派遣された、特殊能力を持つ殺人鬼を専門に狩る悪魔寄りのシスターの事。1巻はほぼ状況説明に終始し、2巻以降は「世界最強殺人鬼決定戦」に於ける戦いが最終話まで続く。何故かサタニスターの付き人にされてしまった元虐められっ子の少女の、成長物語的な側面も合わせ持っている様です。
 相変わらず個性的で魅力あるキャラクター達が次々に登場しては簡単に命を落としていく展開が、ある意味潔く、多少趣味の悪いスプラッターギャグ的な部分はあるものの、こうした要素が人気の高さの一端を担っている事は間違い無いと思われます。ただ、張った伏線や広げた風呂敷を、対象キャラを殺す事で安易に回収し、話が広がる可能性を自ら狭めてしまっている点は、少々残念にも思えるのですが…。同作者が墓井田(HAKAIDA)や「ゾンビ屋れい子(Zombie-YA REIKO)」の岩田豪人(IWATA GOUJIN)の様なキャラが主人公の番長漫画や、18禁のエロ漫画を描くとどうなるのか、是非見てみたい気もしますね。
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