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漫画読書日記

自己満足の為の読書感想文。

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最近購読した漫画42【古本/ホラー・ミステリー】



 今回の本は6/22・7/3・7/25に購入した物です。最近になって突然昔のホラー漫画に興味が湧き、何とか昔のレアなホラー単行本を手に入れようと苦労しつつも、なかなか思い通りに欲しい物が手に入らないもどかしさを感じています。復刻版や文庫版等で再版されている物は、素直にそちらを買った方が早そうに思えますが、僅か数年前に再版された物すら、早くも絶版となって手に入らなくなってしまっている事も多い上に、そもそも再版されていない物は如何ともし難く…。自分が何時かは必ず読みたいと夢見ている物を、既に読んで知っていたり、所有していて何時でも読める立場にある人達が羨ましい…。
 とりあえず、画像の左上から順に紹介。

 「殺人よ こんにちは(SATSUJIN YO KONNICHIHA)」 赤川次郎(AKAGAWA JIROU)&松本洋子(MATSUMOTO YOUKO)・・・・・「なかよし」1983年7月号〜10月号に連載された赤川次郎原作小説のコミカライズ作品で、巻末に短編を併録したこの単行本は1983年12月6日発行。
 仕事にかまけて家庭を顧みなかった父が急死し、夕海子(YUMIKO)はその時母が笑っていたのを目撃する。一ヶ月後夏休みになり、皆で向かった別荘で、唐突に母から再婚相手として若い男を紹介され、その後友人の美香(MIKA)を駅まで迎えに行った際に、見知らぬ女性が交番で自分の別荘の場所を訊ねている所を目撃するが、翌日水死体となって発見されたその女性は、母の再婚相手の前妻であった。そして父が生きていた頃から、度々金の無心に来ていた叔父も別荘へとやって来る。夕海子は去年知り合った巽(TATSUMI)や地元の刑事と共に、事件の真相を探ろうとするが、遂に自分の命まで狙われる羽目になり…。
 伏線が多く、登場人物達の相関関係が入り乱れている為、整理するのが少々大変だが、様々な人物の思惑が絡んでいるとは言え、大枠は大体最初に予想出来得る通りの展開であり、基本的且つ王道的な推理物であると言える。最後の夕海子の行動だけが少し異色で、多少暗い余韻を残す結果となっている。
 併録されている短編「鏡のむこうに……(KAGAMI NO MUKOU NI……)」は「なかよしデラックス」1983年11月号に掲載。時折鏡の中に、近い将来に起こる人の死を見てしまうヒロイン・リーリア(Lilya)。彼女はある時自分を引き取り育ててくれた養父母が、交通事故で死んでしまう場面を鏡の中に見てしまい、実際にその通りの事が起こってしまう。実は十年前に今の家に引き取られた時も、自分を引き取る事を反対していた意地悪な祖母が誰かに殺される所を目撃し、その事を皆に言った為に、庭番の男性が犯人として捕えられた上に刑務所で自殺してしまい、その子供を路頭に迷わせてしまった過去があった。リーリアを慰め励ましてくれる優しい兄・フィル(Phil)。そして十年振りにリーリアの前に現れた元庭番の息子・ディーン(Dean)はリーリアの事を許し、2人は恋仲になるが、今度はリーリア自身が何者かに殺される所を鏡の中に見てしまう。果たして事件の真相は?短編ながら読み応えのある作品。

 「怪奇博物館(KAIKI HAKUBUTSUKAN)」 赤川次郎(AKAGAWA JIROU)&松本洋子(MATSUMOTO YOUKO)・・・・・「なかよしデラックス」にて1990年に発表された、赤川次郎原作小説のコミカライズ作品を3本収録した作品集。1991年7月6日発行。
 第1話「ドールハウス(Doll House)」は、「なかよしデラックス」1990年1号掲載。亜季実(AKIMI)・玲子(REIKO)・千草(CHIGUSA)は、同じマンションに住む仲良し3人組。引っ越して来て以来一度も姿を見せない階下の住人宅に届いた大きな荷物を、亜季実の家で預かったその日の夜、千草が行方不明になってしまう。時を同じくしてマンション内で泥棒騒ぎが相次ぎ、玲子が亜季実の家に泊まったその日の夜、部屋の中に怪しい人の気配を感じ、母と共に皆で部屋中を探し回るが、何も見付からない。亜季実は階下の住人を怪しみ、母が探りを入れに行くが、今度はその母までもが行方不明に…。結局階下の住人の正体は不明であり、全体的に不思議な話といった印象で、恐ろしい話ではないと思うのですが、電気を消した部屋の中に人の気配を感じ、更に閉めた筈のドアが開いている事に気付いた辺りは、非常にゾクゾクさせられました。
 第2話「呪う人形(NOROU NINGYOU)」は、「なかよしデラックス」1990年2号掲載。お金持ちのお嬢様・茉莉子(MARIKO)の誕生日パーティーに、大勢の友達に混じって、茉莉子の憧れの男性・貴之(TAKAYUKI)と親友・美緒(MIO)のカップルがやって来て、茉莉子は悲しい気持ちになってしまう。皆が帰った後、たくさんのプレゼントの中にワラ人形を見付けた茉莉子は、美緒にワラ人形の呪いを掛け、実際に美緒は心臓発作で入院。美緒の見舞いに行った茉莉子は、貴之に新しい彼女が出来た事を聞かされ、今度はその女性にワラ人形の呪いを掛けるが…。終始茉莉子が主導権を握っている様に見えて、最後に大きなどんでん返しが用意されている。登場人物の誰もが、他人を裏切り自分自身も裏切られているという、何とも悲しい余韻を残す物語。
 第3話「真紅の影(SHINKU NO KAGE)」は、「なかよしデラックス」1990年3号掲載。春休みに家族4人で貸し別荘へとやって来た薫(KAORU)は、弟と一緒に降りた地下室で、西洋風の棺桶を発見する。後にもう一度家族全員で地下室に降りてみた際、棺桶の位置が少しずれていて、部屋の中に生臭い臭いが漂っていたが、棺桶の中は空であった。その後夜中にトイレに起きた弟が怪しい影に襲われ、次いで母や父まで様子がおかしくなり…。これも影の正体は最後まで不明なのですが、人里離れた陸の孤島とも呼べる別荘地で、少しずつ追い詰められていく様子は非常に怖い。十年後に婚約者と共にこの地へとやって来た薫が、その事を話し終えた後に別荘跡地を後にするラストシーンは、決別した暗い過去に何処か懐かしさを感じさせる様な余韻を残す。

 「飼育病棟(SHIIKU BYOUTOU)」 関よしみ(SEKI YOSHIMI)・・・・・1992年に発表された中編ホラー作品を3本収録した作品集。1993年8月10日発行。
 表題作の「飼育病棟」は、工事現場でマザコンのクラスメート・森陰(MORIKAGE)を助けた事で大ケガをして、体が動かせなくなった上に声まで出なくなってしまった晶子(SHOUKO)を、森陰は親が経営する病院内で、一方的な偏愛で追い詰めていく。誰にも真実を伝える事が出来ないばかりか、晶子の味方をしてくれた人物は皆あの手この手で排除されてしまう。助けて貰った事に感謝もせず、自分に都合の良い解釈ばかりしていて、一般的な常識感が欠如している森陰に対する嫌悪感が凄まじい。
 「真夜中の祝福(MAYONAKA NO SHUKUFUKU)」は「少女フレンド」1992年4月増刊号に掲載。彼氏の松村(MATSUMURA)と共に志望校に合格して喜ぶ亜弓(AYUMI)の目の前で、受験に失敗した女生徒が飛び降り自殺をしてしまう。その合格発表の帰りから、亜弓を襲う怪異の数々。果たしてこれは自殺した少女の呪いの所為なのか…?
 「聖母の葬列(SEIBO NO SOURETSU)」暴走族に襲われた所為で2年間も昏睡状態にあった望(NOZOMI)は、新興宗教・摩訶思議(MAKASHIGI)教団の教母の力によって回復する。暴走族すらも改心させた教団の教えに、町の人々は皆傾倒していくが…。信者達の狂奔は、もはや教母自身にも止められず、彼女もまた自分が作り上げた狂信のうねりに身を委ねるより他は無い。
 やはり3本共「一番恐ろしい存在は人間だ」という点が共通しているが、それ以上に、周りの人々が親も含めて皆誰も主人公の言う事を信じてくれず、数少ない味方は微力な上に途中で必ず排除されてしまい、主人公が助かる希望を徹底的に摘み取る演出が物語の恐ろしさを増している。一応全ての話で、最後には必ず主人公は救われてはいるのだが…。「飼育病棟」や「真夜中の祝福」で主人公の味方をしてくれる少女がとても良いキャラで、途中で排除されてしまう事が惜しまれる…。

 「顔のない転校生(KAO NO NAI TENKOUSEI)」 浜慎二(HAMA SHINJI)・・・・・1984年7月15日発行の描き下ろし単行本。家では義父が毎晩酒を飲んで帰って母親と喧嘩をし、学校では不良達による校内暴力が吹き荒れている。主人公・加代子(KAYOKO)の一番の楽しみは、仲の良い2人の友人との、登下校中のお喋りだけであった。ある日彼女のクラスにやって来た転校生の里中純(SATONAKA JYUN)は、転校早々不良達の溜まり場となっているサッカー部のマネージャーを買って出る。以後、真面目にサッカーの練習をする様になった不良達は暴力沙汰も起こさなくなり、先生も他の生徒達も皆喜ぶが、何故か加代子だけが友人にも裏切られ、皆から爪弾きにされてしまう。家では母親にまで悪態を吐かれ、何処にも居場所が無くなってしまった加代子は、思い余って近くのマンションから飛び降り自殺を図るが…。転校生の正体は、そして企みとは何なのか?加代子を目の敵にする理由、そして部屋に現れた顔の崩れた人影との関係は…?
 ホラー漫画の筈なのですが、結果的にはとても良い話です。相手の事情を知り、歩み寄ろうとする加代子と、頑なに拒み続ける純。同じ様な暗い過去を持ちながら、正反対の性格をしているこの2人は、どちらもとても魅力的なキャラであり、作者自身もあとがきで書いている様に、この先2人はどういう人生を歩んでいくのか非常に気になりますね。

 「闇に光る幼女の目(YAMI NI HIKARU YOUJYO NO ME)」 浜慎二(HAMA SHINJI)・・・・・1985年2月16日に発行された、表題作を含む3本の中編・短編を収録した作品集で、後に「夜歩く死体(YORU ARUKU SHITAI)」というタイトルに改題して再版。
 表題作の「闇に光る幼女の目」は、車やバイクの前に突然現れては、跳ね飛ばされ続ける謎の少女の物語。少女を跳ね飛ばした後、そのまま置き去りにして逃げようとした車は、再び目の前に現れた少女の姿に驚き、誤ってハンドルを切って事故を起こしてしまう。暴走族の集会に向かう為バイクを飛ばしていたタケシ(TAKESHI)も少女を跳ねてしまうが、抱き起こした少女がケガをしていない事に安心したのも束の間、その場から動こうとせず、身元も解らない少女をそのまま放ってはおけず、自宅に連れ帰る。少女に構っていた為に災難に遭わずに済んだという事が何度かあった後、少女は最後に「目が見えなくなった」と言ってタケシの前から消え、その直後、目の病気で入院していた妹の目が見える様になった事を、母から電話で知らされる。あの少女が自分の目を妹にくれたのだろうか?あの少女は神様だったのだろうか…。少女がとても可愛らしく、ハッピーエンドである点も非常に好印象。少女の正体は最後まで不明であり、死体と思わせる様な描写は全く無かった為、改題後の「夜歩く死体」というタイトルは余り相応しくない様に思います。
 「魔首(MAKUBI)」は、レジャーセンターの建設に反対して土地を手放さなかった為に殺された兄弟が、自分達を殺した連中に復讐していく物語。最後に黒幕の観光会社社長の家にやって来た兄弟だったが、ここへ至るまでに何度もダメージを受け続けた為か、自分に優しくしてくれた社長の娘と、その娘に罪を告白した社長の行動に恨みが消えた為か、結局社長だけは殺さずに、社長の寝室の前で頽れた。殺された兄弟は気の毒だが、やはり罪を認めた社長の事は殺さなくて良かったと思う。
 「いぬ男(INU-OTOKO)」は、自分の子供が野犬に噛み殺された為に犬を憎む様になった獣医が、ノイローゼになって幻覚を見る様になり、患者の犬や助手を殺した挙句、彼等の恨みによってか、自分自身の姿が犬となり、保健所の野犬狩りに捕まって連れて行かれてしまう。ページ数が短い事もあって、救いも無く、何だか投げっ放しの印象だ。

 「彼岸島(HIGANJIMA)」 松本光司(MATSUMOTO KOUJI) 10巻・・・・・「週刊ヤングマガジン」2002年49号から現在も連載中。旧日本軍により、土着の風土病を研究して生み出された吸血鬼に支配された島での、人間対吸血鬼の戦いを描いたホラー漫画。この10巻は、単行本を集め始める前に「彼岸島 手引書 零」を読んだ際に、特に強く印象に残っていた場面が色々出て来る巻です。怪力を誇る巨大な邪鬼(ONI)・太郎(TAROU)と、それを難無く倒して修行の成果を見せ付けた明(AKIRA)の格好良さ。太郎への「おしおき」を楽しむ、外見的にも内面的にも非常に醜悪な邪鬼使い。そして、せっかく邪鬼を倒して皆無事に逃げ切れたと思ったのも束の間、落石で道を塞がれてしまった上に、弓隊と雅(MIYABI)までやって来るという絶体絶命のピンチ!…尤も、この続きの11巻を先に買ってしまっている上に、そもそも「手引書」で15巻までの内容を全部知っている訳なんですけどね。ストーリー漫画をバラバラに集める私の行為も問題ながら、1册で全部内容が解ってしまうあの手の解説本の存在も、やはり問題があるのではないかと思ってしまいますね…。
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