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漫画読書日記

自己満足の為の読書感想文。

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最近購読した漫画120【古本/ホラー漫画(木村直巳)】



 1986年1月号〜1995年12月号と、ほぼ10年間に渡り発行されたホラー漫画誌「月刊ハロウィン」。楳図かずお(UMEZU KAZUO)、つのだじろう(TSUNODA JIROU)、永久保貴一(NAGAKUBO TAKAKAZU)、御茶漬海苔(OCHADUKENORI)、伊藤潤二(ITOU JYUNJI)、まつざきあけみ(MATSUZAKI AKEMI)、山岸凉子(YAMAGISHI RYOUKO)、曽祢まさこ(SONE MASAKO)、山本まゆり(YAMAMOTO MAYURI)、JET…と、執筆陣も錚々たる顔触れで有名な作品も数多く、今回紹介する「ダークキャット(Dark Cat)」や「変幻退魔夜行 カルラ舞う!(HENGEN TAIMA YAKOU KARURA MAU!)」の様に、この時代のホラー漫画にしては珍しくアニメ化された物もある等、掲載作品の充実振りには驚かされる。
 長く続いた作品を個別に集めて全巻揃える事は非常に難しいので、今回全巻セットを見掛けて購入出来た事は幸運だった。3/11に全10巻を纏めて購入。

 「ダークキャット(Dark Cat)」 木村直巳(KIMURA NAOMI) 1・2・3・4・5・6・7・8・9・10巻
 「月刊ハロウィン」1987年6月号〜1992年11月号に連載。ダークキャットとは、死んだ人間の魂が猫の体に入り込み、姿を自在に猫や人に変えながら、人の心に巣食う魔性(MASHOU)を狩る者達。魔性化してしまった人間は浄化されるか倒されるかの2つに1つしかなく、倒した場合は「喰らった」事になり、全身に力が漲るが、吸収し切れない程多くの魔性を取り込むと、肉体が破壊されてしまう。主人公・影崎標意(KAGEZAKI HYOUI)と弟分の留意(RUI)を中心に物語は進行する。
 1巻は1988年7月20日発行。第1話・白蛇の魔性に取り憑かれ、気に入らない相手を次々と死に至らしめる少年「白蛇奇談」。留意初登場となる第2話「マーブルキャットは眠らない」。第3話・体の一部を植え付け、恐怖で生徒達を管理する若い女性教師「悲しき瞳」。死んで魔性となりながらも苦しみ続ける少女「ひとかげろう」。描き下ろし4コマ「おまけのダークキャットちゃん」。本編の原形となった読み切り「黒猫少年」(「月刊ハロウィン」1987年1月号掲載)を収録。
 2巻は1988年8月20日発行。第5話・失恋の痛手から地縛霊に取り憑かれた少女「いつわりの肖像」。第6話・7年前に父を死に追いやった魔性が舞い戻り、再び少女を襲う「ある不良少女の記憶」。自ら魔性を育て、標意にすら深手を負わせる凶暴な闇猫・邪虎久坊(JYAKOKUBOU)初登場となる第7話「留意・初めての狩り」。描き下ろし4コマ「おまけのダークキャットちゃん」。東京で仕事を探す為に友人のアパートに転がり込んだ男が体験する恐怖「ハイムF」(1986年「ブギーマン」掲載)を収録。
 3巻は1989年6月20日発行。第8話・模範的生徒で居続ける事の重圧に負け、魔性に取り憑かれた少女「鏡の中の優等生」では、邪虎久坊に傷付けられた標意が復活。第9話「闇猫教師」にて、いよいよ邪虎久坊との決着を付ける事になる。第10話・アイドル気取りで男子生徒を2人も自殺に追いやった少女「アイドル」。第11話・厳格な両親からの重圧に苦痛を感じている少女と、15年間も同じ場所で事故を起こし続けている少年の地縛霊「サ・ナ・ギ」。描き下ろし4コマ「おまけのダークキャットちゃん」。4巻以降本編にも登場する省吾(SHOUGO)と亜弓(AYUMI)が、とある高校で起きた殺人事件を追う「省吾事件メモ 桜の下の憂鬱」(1989年4月「殺人事件」掲載)を収録。
 4巻は1989年10月20日発行。第12話「失楽学園」では、邪虎久坊すら手下として使役する強力な闇猫・忍了輝(SHINOBU RYOUKI)が登場。収容所の様に生徒達を統率し抑圧する事で、魔性を大量に作り出し、それ等を喰らってより強い力を付けていく。戦いの中、留意が負傷。刑事の省吾と、省吾の姪で、危機を感知し魔性を浄化する力を持つ亜弓が事件の解決に大きな役割を果たす。描き下ろし4コマ「おまけのダークキャットちゃん」も巻末に収録。
 5巻は1990年3月20日発行。他者を抑圧して魔性を作り出すと共に、闇猫を使役する魔獣使い・御陸景介(MIROKU KEISUKE)初登場となる第13話「魔獣使いの末裔」。第14話「復活」では景介の姉・魅月(MIDUKI)が現れ、未だダメージから回復しない留意を連れ去り下僕として復活させ、標意と戦わせる。第15話「精霊たちの村」では、自らの存在に疑問を持った標意が、夢宇童子(MUU DOUJI)の居る精霊の森へと向かい、罪を犯して森に迷い込んで来た少年の行く末を見守る。第16話「救出」では、一度は標意が魔性化から救った少女を、執拗に魔性化へ追い込もうとする魅月・景介姉弟。少女と留意を助けた標意は姉弟に善戦するも、「ひとの魂を信じる」と言い残して立ち去る。その行為が後に魅月の心に変化を…。描き下ろし4コマ「おまけのダークキャットちゃん」も巻末に収録。
 6巻は1991年6月20日発行。第17話「闇猫異形伝」第1幕〜第5幕と、巻末に描き下ろし4コマ「おまけのダークキャットちゃん」を収録。魔性を増殖させて人類滅亡を企む御陸一族の長・御陸無境斎(MIROKU MUKYOUSAI)が教主を務める無境天地教団本部へと向かった標意と留意。無境斎は標意が闇猫となる以前の時代へと強大な魔性を送り込もうとし、それを阻止しようとした留意は魔性と共に百年前の過去へと飛ばされる。そこでも御陸一族は世を滅ぼさんと暗躍しており、邪虎久坊を含む闇猫や、魔性化した人間・無境衆を使役して、人々に、そして後に標意となる人物を助けに来た留意達に襲い掛かる。
 7巻は1991年8月20日発行。第17話「闇猫異形伝」第6幕〜第9幕と、巻末に描き下ろし4コマ「おまけのダークキャットちゃん」を収録。江戸時代最後の夏(1868年8月)から明治元年初頭(1868年9月)、戸ノ口原(TONOKUCHI-HARA)及び若松城にて旧幕府軍と新政府軍との戦いが行われる中、御陸乱堂(MIROKU RANDOU)との戦いで命を落とした闇猫・影崎有浄(KAGEZAKI UJYOU)の体に、新政府軍との戦いで命を落とした喜多川勇記(KITAGAWA YUUKI)の魂が入り込み、闇猫・影崎標意が誕生。標意・夢宇童子・邪虎久坊・土方歳三(HIJIKATA TOSHIZOU)・土方の部下のシズマ(SHIZUMA)は、この時代の御陸無境斎が増殖した魔性を解放する儀式を行っている海底へと向かい、留意もその場所へ飛ばされる。
 8巻は1991年12月20日発行。第18話・卒業式の後、気に入らない先生を呼び出して襲う不良生徒達と、火事で多くの生徒が焼け死んだ校舎で降霊会を開く心霊クラブの面々「白い卒業式」。描き下ろし4コマ「おまけのダークキャットちゃん」。公園で起きた連続殺人を調べる省吾と亜弓、そして標意達の前に無境衆を引き連れた御陸景介が現れ、標意・留意・邪虎久坊・夢宇童子達闇猫が皆猫の姿で亜弓の許に集う第19話「集まる!」。無境衆の1人が留意(礼一(REIICHI)&このみ(KONOMI))の妹・真紀(MAKI)の担任教師である事が解り、人間の子供の姿となった夢宇童子が真紀のクラスに潜入する第20話「僕の死んだ町(前編)」を収録。
 9巻は1992年11月20日発行。第20話「僕の死んだ町(後編)」では、標意との戦いで深手を負った無境衆が真紀を襲おうとする一方、友人を捜しに出た亜弓は、無境衆を連れた御陸景介と出会してしまう。第21話・教団の教えに傾倒して亜弓を殺し無境集になろうとする亜弓の元恋人・雅弘(MASAHIRO)、そして真紀を助け、両親に別れを告げた留意「無境入界」。第22話・引っ越す事になった真紀、全てを知った亜弓、御陸景介を追い詰めるも、甘さ故に返り討ちに遭い、魅月に連れ去られた標意「別れる」。描き下ろし4コマ「おまけのダークキャットちゃん」。1487年、荒沢(ARASAWA)家により影崎一族が滅ぼされた際に闇猫となった有浄と、その後の両家が辿る顛末を描いた「ダークキャット特別編 猫魔ヶ岳恋歌」(「月刊ハロウィン」増刊「ダークムーン」1992年Vol.3掲載)。新撰組童子隊に入隊してから、上野戦争前後までのシズマの活躍を描いた「シズマ挽歌 〜新撰組秘話〜」(「月刊チャキ・チャキ」1990年創刊号掲載)を収録。
 10巻は1993年2月20日発行。第23話「無境学園編」を収録。標意が魅月に連れ去られてから5年、教師となった亜弓が受け持つ事になった問題児・天竜寺央(TENRYUUJI OU)。標意を救う為に闇猫となった彼は、御陸景介が学園長を務める無境学園へと誘われ、更に魅月と標意が居る大平洋上の孤島にある御陸真教本拠地へと向かう。そこで魅月が蘇らせて封じていた御陸乱堂の魂を我が身に宿した景介は…。

 物語の途中で「月刊ハロウィン」が休刊となってしまった為に、ストーリーに決着が付かないまま、中途半端な所で終わってしまっている。後に発売された文庫版や電子書籍版では、この後どういう展開になる予定だったのかが後書きにて語られているらしいが、やはり漫画で読みたかったというのがファンにとっての正直な気持ちではないだろうか。
 1巻収録の「黒猫少年」では「人間になれたら会いに来るよ!!」と言う主人公のセリフがあり、元々はそういう設定(魔性を倒し続けていれば、何時か人間になれる?)だったらしい事が伺える。ネタの大本は楳図かずお(UMEZU KAZUO)の「猫目小僧(NEKOME-KOZOU)」辺りかも知れない。読み切り作品の殆どは本編登場キャラにスポットを当てた番外編であり、「黒猫少年」も「人間になれる」と考えて単独で行動している別の闇猫だと考えれば本編に組み込む事が出来るだろうし、「ハイムF」も同様に、主人公の友人が魔性化した存在だったのだと考えれば、本編に組み込む事が出来そうだ。歴史上の様々な時代に存在していた闇猫達の活躍や、魔性化した人間のみを描いた恐怖物等、是非とももっともっと色々な話を読んでみたいと思わせる、魅力的なキャラと世界観を持った作品だ。


 1990年に発売された「ダークキャット ORIGINAL ALBUM」。アニメのサントラではなく、漫画のイメージアルバム。
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