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漫画読書日記

自己満足の為の読書感想文。

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最近購読した漫画62【古本/ホラー漫画(秋田書店)】



 「秋田書店」と言っても少年チャンピオンコミックスやサンデーコミックス等のメジャー所ではなく、ひばり書房ヒット・コミックス怪談シリーズや、立風書房レモン・コミックス恐怖シリーズ等と同等のマイナー所である「ホラー・コミックス」シリーズです。描き下ろし作品のみならず、雑誌連載の単行本化も含み、1990年代に入ってからも刊行され続ける等、ひばりや立風のホラーコミックスと比べると多少メジャーな印象が強く、言及される事も少ない様に思うのですが、こちらも無視出来ないシリーズだと思います。今でも実店鋪で見掛ける事が多く、入手し易い点もポイント高し。今回の本は10/22・10/27に購入。

 「魔守りの少女(MAMORI NO SHOUJYO)」 森口史朗(MORIGUCHI SHIROU)&青江雪生(AOE YUKIO)・・・・・1986年7月15日発行の描き下ろし単行本。仲の良い友人達と4人でハイキングにやって来た純子(JYUNKO)は、谷底へ転落して皆とはぐれた際、突然降り出した大雨から逃れる為に入った空き家で、両目と舌が無い不気味な老婆と出会う。老婆は「マモリノムスメヨ」「邪悪ナモノガチカヅイテイル」「オマエハワタシ…ワタシハオマエ…」という謎の言葉を残して消えるが、その直後から純子の周りでは様々な異変が起こり始める。度々魔物に襲われ、友人の千賀(CHIKA)がケガをして入院するに至って、母方の祖父から真森(MAMORI)家の血筋に関する言い伝えを聞かされる純子。それによると、悪魔の出入り口を守る番人となる為に神に選ばれた真森家の娘は、目と耳と口の能力を失う事で悪魔を封じる力を得るのだと言う。山で出会った老婆と同じ姿となる自分の運命にショックを受ける純子だったが、女生徒達の憧れの的・五城(GOJYOU)と親しくしていた事を他の女生徒達に咎められ、嫌がらせを受けていた時に、言葉を失う代わりに超能力を発揮してその場を逃れ、更に実は悪魔の化身だった五城の甘言に惑わされ襲われそうになっていた時に、耳の機能を失う代わりに更なる超能力に目覚めてその場を逃れる等、着実に魔守りとしての立場へと近付いていってしまう。そして最後に、自分を助けようと命を懸けて悪魔に立ち向かってくれた幼馴染みの一樹(KAZUKI)を助ける為に、自ら目を傷付けて全ての力を得、悪魔を倒す…。
 可愛らしい少女漫画タッチの絵柄でギャグ要素も多いが、山で出会った老婆の顔や、女生徒の顔が崩れる残虐シーン(実は悪魔が見せた幻)等は、かなり力が入っていて不気味に描かれている。魔守りとしての力を得る為には身体能力を捨てなければならず、普通の人間として生きていく為には魔守りとしての力を失う事になるという点が、「普通の人間として生活を送り、その上で魔物と相対する能力も備えている」という、余りにも都合が良過ぎる設定の、一般的な「ホラー仕立てのヒロイックファンタジー」とは一線を画していると言えるだろう。常人離れした能力という物は、本来これぐらいのリスクを経て得られる能力であるべき筈なのだ。

 「亡霊のささやき(BOUREI NO SASAYAKI)」 いずみ里織(IZUMI SAORI)&こさかべ陽子(KOSAKABE YOUKO)・・・・・1987年3月20日発行の描き下ろし単行本。松ヶ丘(MATSUGAOKA)学園中等部に転校して来たヒロイン・竹之内若菜(TAKENOUCHI WAKANA)は、屋上から転落死した高浦由紀(TAKAURA YUKI)とそっくりである事から、クラスメートや入部した新体操部の部員達から怪訝な顔で見られ、事故や嫌がらせが相次いで起こる。高浦は生前新体操部のレギュラーの座を巡って市川(ICHIKAWA)・片平(KATAHIRA)・小山(KOYAMA)の3人から虐めを受けていたとの事であり、小山と片平が続けて事故で大ケガを負った事から、市川はそれが若菜の所為だと詰め寄るが…。
 若菜が縁日で買ったマスコット人形が高浦が持っていた物と同じ物であり、事故の影には必ずこのマスコット人形によく似た着物の女性の姿があって、不気味さを漂わせている。ストーリー的には、死んだ高浦の霊によるごく単純な復讐劇だが、唯一若菜の味方をしてくれた岡本(OKAMOTO)の事を高浦が好きだったという事も相まって、読後に悲しい余韻が残る。

 「雷鳴の消えた夜(RAIMEI NO KIETA YORU)」 こさかべ陽子(KOSAKABE YOUKO)・・・・・1989年6月20日発行の描き下ろし単行本。雷雲に覆われ、常に雷鳴轟く山中にある有名な彫刻家・藤谷誠(FUJITANI MAKOTO)の生家を訪ねて来た美術クラブの面々。彼等は誠の兄の卓(SUGURU)に案内され、屋敷では誠の姉の美也子(MIYAKO)が出迎えてくれるが、肝心の誠は一年前から行方不明だと言う。誠が行方不明になる直前まで彫っていたという雷神の彫刻に「誠らしくない」と違和感を感じるヒロイン・夕華(YUKA)。その夜卓と美也子が言い争う声が聞こえた後、大きな悲鳴が響き渡り、気になった美術クラブの面々は部屋から飛び出して屋敷内の様子を窺うが、美也子に野犬の声だと言われて釈然としないまま床に就く。翌朝卓は居なくなっており、美也子は「急用が出来て朝早く東京へ帰った」と言うが、男子部員達によると、卓は夜の間に既に居なくなっていたとの事。卓の車も置かれたままになっていて、不信感を抱く面々だが、その夜今度は男子部員達が荷物を残したまま居なくなってしまう。次々と行方不明になる人々。果たして真相は…?
 駅前の画材屋の女性店員の怪しい行動や、男子部員達が居なくなった理由等、読者のミスリードを誘う部分もあり、全体的に推理物の様な展開だが、内容は割と単純且つストレート。事件が全て終わった後、美也子の心の中を象徴していた雷雲が晴れて雷鳴も止み、晴れた空を見上げる夕華達を描いたラストシーンは何処か寂し気でもあり、印象的。

 「放課後の魔女たち(HOUKAGO NO MAJYO TACHI)」 サイキ敬子(SAIKI KEIKO)・・・・・「サスペリア」に連載された表題作3話を含む6本のホラー作品を収録した短編集。1989年5月15日発行。

 「放課後の魔女たちⅡ(HOUKAGO NO MAJYO TACHI Ⅱ)」 サイキ敬子(SAIKI KEIKO)・・・・・「サスペリア」に連載された表題作3話と読み切り作品1本を収録したホラー短編集。1990年12月30日発行。
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