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漫画読書日記

自己満足の為の読書感想文。

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最近購読した漫画59【古本/ホラー漫画(ひばり・立風)】



 本日オンライン古書店に注文していた本が新たに届きました。早速開封して、これ等も全てジャンル別に分け、追々紹介していきたいと思います。
 今回はB級ホラー漫画の登竜門・ひばり書房と立風書房のホラーコミックスを紹介。集め始めた時期がかなり遅過ぎた為か、もはや実店鋪では全く見掛けず、オンライン古書店でも一向に新入荷されずに在庫が売れて無くなっていく一方といった状況で、入手がかなり困難になってきています。ネット上のホラー漫画ファンサイトや、評論本等でよく紹介されている超有名な作品程手に入りにくい為、ネタバレを伏せて「是非実際に読んでみてくれ!」等と書かれていたりすると、「読みたくても読めないんだ!」と、無性に腹が立ってきます。何処かの豪儀な出版社から、全作品復刻でもされないものでしょうかね。今回の本は10/9・10/22に購入。
 …あと、私もかつて投稿していた毎日新聞社のゲームレビューサイト「ゲームクエスト」の元投稿者である甘茶さんのゲーム感想ブログ「元ゲームクエスト投稿者「甘茶」のブログ」(…って、そのまんまだな…)との間に相互リンクを貼らせて頂いたので、そちらもどうぞ宜しく。時々漫画の感想もある様です。

 「闇に光る青い手(YAMI NI HIKARU AOI TE)」 野原正光(NOHARA MASAMITSU)・・・・・1981年2月15日発行の描き下ろし単行本。郷土史を研究していた千恵(CHIE)の姉が玄幽郷(GENYUU-KYOU)で行方不明となり、千恵は毎晩姉が恐ろしい怪物に襲われる夢を見てうなされていた。おじが結成した捜索隊に千恵も加わりたいと頼み込むが断られ、千恵はこっそりと彼等の後を追う。前人未到の険しい大樹海。霧の中で足を踏み外した千恵は捜索隊の達也(TATSUYA)によって助けられ、彼等と合流するが、今度はおじと池下(IKESHITA)が川に転落してしまう。流れに沿って追って行った千恵と達也は、伝説の霊獣・我修羅(GASHURA)を信仰する閉鎖的な村へと辿り着き、そこで姉のペンダントを発見する…。
 日本にまだ前人未到の秘境があり、そこに俗世間から離れた独自の生活を営む村があるといった内容は前時代的ではあるものの、ロマンを感じさせる内容である事は確かだ。絵柄もこの時代にしては少し古い印象があるが、大樹海や険しい断崖絶壁、俗世間から離れた村落等はかなり雰囲気が出ていて、古い絵柄と前時代的なロマン溢れる内容が上手く噛み合っている。タイトルにある「青い手」とは、人を襲おうとする怪物の手の事ではなく、我修羅によってバラバラにされた千恵の姉の腕だけが生きていて、その腕を介して千恵の前に姿を現す様子を表した物であり、最後は霊獣・我修羅と千恵の姉による、村全体を巻き込んだ超能力合戦の様な大きな戦いになるという、タイトルからは全く想像が付かない展開になる事からも、もっと内容に合った別のタイトルを付けた方が良かった様に思う。

 「ミイラが呼ぶ夜(Mirra GA YOBU YORU)」 やすだたく(YASUDA TAKU)・・・・・1982年1月15日発行の描き下ろし単行本。人知れぬ郊外に建てられた大きな家に、剥製作りが趣味の男が1人で住んでいた。小学校からの帰宅途中に友人の麻理(MARI)が誘拐された翌朝、主人公・美奈子(MINAKO)も現場近くで同じ男に誘拐され、男の家の地下室に閉じ込められてしまう。男の目的は、死んでミイラとなった妹に友達を作ってあげる事であった。当初は抵抗していたものの、男が異常者である事を知って口裏を合わせる事にした美奈子だが、自分を捜しに来た父に助けを求めようとした事が男を怒らせる結果となり、既に腹を裂かれて死んでいた麻理や、ミイラにされた人々の姿を見せられた上に、自分もそうなる事を宣告されてしまう…。
 剥製店で人間の剥製の作り方について話すといった、男の異常な部分だけでなく、暴走車の運転手と揉めた際に冷静な態度と腕力で相手を圧倒したり、孤児院で兄妹共々虐められていたという過去や、職場では休憩時間にまで仕事をするといった真面目な面も描かれ、男のキャラクター性がかなり掘り下げられている。一方美奈子の方も、男が居ない時には何とか地下室からの脱出方法を探そうとし、男が居る時には逃げ出す隙を窺う等、意思が強く諦めない性格に好感が持てる。美奈子が見た悪夢の内容や、男の妹のミイラが動くといった非現実的な恐怖が描かれる場面もあるものの、基本的には「異常者によって閉鎖空間に閉じ込められてしまう」という現実味のある恐怖こそが、この作品の主軸であると言える。
 あとがきで、作者が中学生の頃に友人宅の庭にあった防空壕の中で遊んでいた所、友人が「好きな女の子とふたりきりでいられたら…」とつぶやいた事が語られており、作中の男との関連性を思わせる。

 「死人沼に幽霊少女が!!(SHIBITO-NUMA NI YUUREI SHOUJYO GA!!)」 川島のりかず(KAWASHIMA NORIKAZU)・・・・・1984年4月16日発行の描き下ろし単行本。後に背表紙のナンバーを変えて何度か再版され、更に後に「死神の招待状(SHINIGAMI NO SHOUTAIJYOU)」というタイトルに改題して再々版。今回購入した物は1986年8月6日に発行されたナンバー変更バージョン(ナンバー75)だが、奥付には「初版」と明記されている。
 沼尻村(NUMAJIRI-MURA)にある教会にたった1人で住んでいるゲン(GEN)老人は、ある霧の深い日に泣いている少女と出会う。母を亡くし、意地悪な親戚の家から逃げて来たと言う少女をゲン老人は匿い、少女を妖子(YOUKO)と名付けて、2人は実の親子の様に仲良く一緒に暮らし始める。しかし毎晩黙って布団を抜け出し、死神が化けた母の幽霊に会っていた妖子は、ある日とうとう死神に騙されて崖から落ち、大怪我を負って入院してしまう。容体が良くなって退院するも、残り寿命は一か月と死神に宣告されていた妖子は結局死神に連れ去られ、妖子を何処までも追って行ったゲン老人は、死神の居る霊界への入口に辿り着き、自分の残り寿命と妖子の寿命を交換する約束を死神と取り付ける。
 ゲン老人と妖子の普段の生活は、ギャグも交えてとても楽しそうに描かれている為、ラストが非常に切ない。死人沼で孫娘の雪子(YUKIKO)を亡くした事に因る呵責から、ずっと新しい孫娘が出来た様な幻覚を見続けていたゲン老人。その幻覚の中でも妖子は死人沼で死亡し、そしてゲン老人自身も、幻の妖子に誘われる様にして死人沼で命を落としてしまう。最後に妖子も雪子も生きているという非常に都合の良い幻覚を見たまま死ねた事は、1人寂しく暮らしていたゲン老人にとっては、せめてもの慰めとなったに違いない。

 「呪いの学校にヘビ女!!(NOROI NO GAKKOU NI HEBI-ONNA!!)」 杉戸光史(SUGITO MITSUJI)・・・・・1984年7月16日発行の描き下ろし単行本を、同内容で背表紙のナンバーを変えて再版した物で、こちらは1988年1月16日発行のナンバー205バージョン。伸子(NOKKO)・浩子(HIROKO)・サユリ(SAYURI)の3人は、学校でコックリさんをやっていた所を先生に邪魔されてしまい、たたりを恐れて近所のお稲荷さんへとお供えに行く事にする。その道中に彼女達と出会った主人公・洋子(YOUKO)は、その後示現斎(JIGENSAI)と名乗る老人から、動物霊の悪霊に取り憑かれて命を落とすかも知れないと予言される。その夜、ひとだまとサユリに似たヘビの様な姿をしたバケモノを目撃した洋子は、翌日学校で皆にその事を話すが、ボーイフレンドの熊沢(KUMAZAWA)は信じてくれず、クラス委員のリエ(RIE)が興味を持って、もう一度より本格的なコックリさんをリエの家で行う事になる。しかしその際に現れたのは何とやまたのおろちの霊であり、リエに取り憑いた霊は、徐々に仲間を増やして洋子を追い詰める…。
 主人公の洋子が最初のコックリさんに参加していなかったり、最初にコックリさんをやっていた3人の内サユリだけがお稲荷さんに行かなかったりしている点に、構成のちぐはぐさを感じさせられてしまうが、熊沢が頑なにコックリさんを拒む理由や、途中で現れて洋子を助けてくれた犬が示現斎に飼われている犬だった事が解る件等、細かい部分をキチンとフォローしている点には好感が持てる。まだ何も起こっていない内から、洋子が少しオーバーに怖がり過ぎている事や、最後にはスサノオのミコトの霊まで呼び出しての壮大な戦いに発展する事等から、余り感情移入出来ず素直に怖がれないといった難点はあるものの、初めて表紙イラストを見た時から内容が凄く気になっていたので、今回入手して内容を知る事が出来て非常に満足しています。
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いつもこちらのブログにコメント頂きありがとう。こちらの要望通り、相互リンクさせてもらいました。分量がものすごいので、ゆっくり全文読ませてもらいます。今後ともよろしくお願いします。
甘茶 URL 2010/10/28(Thu)00:44:08 編集
無題
 甘茶さん、初のコメント有難うございます。画像が用意出来ていなかったり、まだ感想を書けていない作品がある等、スカスカな内容で恥ずかしいのですが、何とか頑張って、数だけではなく内容も充実させていきたいと思っています。「ゲームが原作の漫画」や「漫画が原作のゲーム」も色々あるので、甘茶さんの好みに合いそうな作品も、偶にはあるかな?ともあれこちらこそ、これからもお付き合いの程宜しくお願い致します。
manken99 2010/10/28(Thu)07:18:48 編集
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