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漫画読書日記

自己満足の為の読書感想文。

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最近購読した漫画109【古本/ホラー漫画】



 今回の本は全て1/11に購入。去年購入した本でまだ紹介していない物もあるというのに、やはりホラー漫画(それも古本)だと、こうして紹介出来るだけの数が集まるのが早い。基本、一番好きなジャンルは「日常をテーマにしたギャグ漫画」なのですが、物色するのが一番楽しいのは、やはり「昔のホラー漫画」なんですよね。1册だけ新しい物も混じっていますが…。

 「さよならコレクター(SAYONARA Collector)」 川村真弓(KAWAMURA MAYUMI)・・・・・1984〜1988年に発表された6本の短編を収録したホラー&ミステリー作品集。1989年5月20日発行。
 「ガラスの物語(Glas NO MONOGATARI)」は「月刊ハロウィン」1986年5月号に掲載。常に不満顔の骨董品店の主人・レンには、恋人・ライラを裏切り大金を持って逃げたという過去があった。ふとした事から過去へと戻ったレンは、「今度こそやり直す」と一度は決意するものの、再びライラを裏切ろうとして、逆に自分が裏切られてしまう。
 「幽霊なんかこわくない(YUUREI NANKA KOWAKUNAI)」は「月刊ハロウィン」1986年3月号に掲載。女生徒の幽霊を目撃したクラスの面々は、新聞部のスクープ記事として独占インタビューを決行するが、彼女は自分が幽霊である事を頑に否定する。実は彼女以外の一クラス丸ごと全員が、過去に修学旅行先の事故で死亡した幽霊なのであった。
 「海へ還る(UMI HE KAERU)」は「月刊ハロウィン」1988年7月号に掲載。老衰で亡くなった人の形見分けで貰ったチケットで、船旅に出た鈴(RIN)と沙樹(SAKI)。他の客は皆2人に異様な視線を向け、「船を降りろ」という嫌がらせまで受ける。実はこの船は死に逝く者達の乗る船であり、2人が降ろされた後、船は爆発炎上する。
 「ミッドナイトスプーキー(Midnight Spooky)」は「月刊ハロウィン」1988年10月号に掲載。居眠り運転で塾帰りの少年を撥ねてしまった承介(JYOUSUKE)と曜子(YOUKO)。少年を連れて病院へ向かうが、看護婦も医者も皆彼等には気付かず、霊安室には遺体が2つ。つまりここに居るのは皆先程の事故で死んでしまった幽霊で、誰か一人だけが助かったという事なのだろうか…?
 「パラレル(Parallel)」は1984年「デュオ別冊・すとろベリィ」に掲載。何時も同じ少女の夢を見るダニー(Danny)には、幼い頃に車の事故で亡くした双子の妹が居たが、夢の中の少女・マリオン(Marion)も同様に幼い頃双子の兄を事故で亡くしていたのだと言う。2つの可能性が交錯しているその夢は、ダニーが見ている夢なのか、それともマリオンが見ている夢なのか…。
 表題作の「さよならコレクター」は「月刊ハロウィン」1986年2月号に掲載。既に周辺で4人もの行方不明者が出ている学校で、新たに女生徒が保健室のベッドから居なくなってしまう。ベテラン生物教師・穂積(HODUMI)を疑う新任教師・鳥丸(TORIMARU)と、穂積に憧れ鳥丸の事を嫌っている女教師・平(TAIRA)。骨格標本のコレクターである穂積は遂に正体を現し、真相に近付く2人を襲う。
 絵柄もキャラも非常に明るく、7〜8割方コメディー調のノリで、キャラ同士のやり取りが非常に楽しいのだが、「既に起こった事」を語るストーリーには「このキャラが気に入ったから救ってあげよう」などという私情が入り込む余地は無く、実の所どれもハッピーエンドとは言い難いヘビーな物語となっている。「幽霊なんかこわくない」や「ミッドナイトスプーキー」の面々は、死んで幽霊となったものの、割と楽しく幽霊ライフを送っている様なので、それはそれで救いがあると言えるかも知れない。名前や年齢は異なるが、殆どの作品に黒髪眼鏡の男性が登場しており、後書きで「かくほどに馴染みの登場人物が減ってゆく…」という記述がある所を見ると、恐らくスターシステムにより複数の物語に同一キャラを配しているのではないかと思われる。同じく後書きによると、「パラレル」が初見参で「さよならコレクター」が2作目、「海へ還る」は完成までに10ヵ月掛かったとの事であり、遅筆且つ寡作の作家であった様だ。

 「冥府学園(MEIFU GAKUEN)」 沖田有美子(OKITA YUMIKO) 1巻・・・・・戦国時代に悪逆非道の限りを尽くした大名・潮見小太郎成彰(SHIOMI KOTAROU NARIAKIRA)が、男子高校の数学教師・松永彰(MATSUNAGA AKIRA)に転生。小姓で彼の愛人だった志野(SHINO)は生徒の高瀬志信(TAKASE SHINOBU)に転生していたが、彼には前世の記憶が無く、時折姿を現す志野も、何故か成彰を避ける様に、すぐに姿を消してしまう。かつて戦場だったこの地で、成彰に怨みを持つ亡霊達が、様々な手段を使って次々と彼等を襲う。果たして彼等の運命は?
 戦の無情さや悲恋、互いに相手を思いやる気持ちのすれ違いといった情緒的な部分も多々あるものの、コメディ要素が大半を占めており、ホラー要素は余り無い。「伝奇物」で「BL物」という作者の趣味全開の内容であるが故か、かなりはっちゃけた印象で、他作品のパロディや突然作者が乱入するといったお遊び要素もあり、BL要素もほぼギャグとして描かれている為、男性読者にも受け入れ易く、肩の凝らない作品となっている。美少年で女の子にもてるという設定であるにも関わらず、松永からの求愛や恐ろしい亡霊達から泣いて逃げ惑ってばかりの高瀬が、かなり可愛らしい。体育会系の金田(KANEDA)や、オタクの尾宅(OTAKU)、戦国時代からの転生組で、松永からの寵愛を受ける高瀬を妬んで嫌がらせばかりする幻ノ丞(GENNOJYOU)等、脇役も個性派揃いだ(全員ガチ)。
 「サスペリア」1990年?月号〜199?年?月号に連載、全3巻。1巻は1991年7月15日初版発行(発売日は6月13日)。この1巻には第1話〜第5話と、巻末に作品解説のおまけページ「好き勝手 4ページだ!!(SUKIKATTE YON-Page DA!!)」を収録。

 「東京水族館(TOUKYOU SUIZOKUKAN)」 沖田有美子(OKITA YUMIKO)・・・・・1994〜1995年に発表された、ベッドシーンやBLっぽい描写もある比較的アダルトな作品を集めたミステリー短編集。1996年1月20日発行。
 表題作の「東京水族館」は「月刊ハロウィン」1995年6月号に掲載。行きずりの家出美少年を拾った大学助教授・古藤晶子(KOTOU SHOUKO)。2人は同居生活を始めるが、その少年・かさね(KASANE)には、物や場所に残された過去の記憶を知る「過去知(Postcognition)」の能力があった。殺人事件に巻き込まれた2人は、晶子に掛けられた疑いを晴らすべく奔走し、何処にも居場所が無くボロボロに傷付き殺された少女の悲しみを知る。
 「東京水族館・2(TOUKYOU SUIZOKUKAN・2)」は「月刊ハロウィン」1995年9月号に掲載。晶子とかさねの2人は又も殺人事件に遭遇。晶子の知人の藤原(FUJIWARA)を怪しみ探りを入れるが、藤原が隠していたのは何と拾った子猫。殺された少女は生前、捨てられた子猫に寂しい自分の姿を重ね合わせて、優しく接してあげていたのだった…。
 「世界が滅びてしまえば(SEKAI GA HOROBITESHIMAEBA)」は「月刊ハロウィン」1994年4月号に掲載。嫌な事が続いて腐っていた優(SUGURU)の前に、世界を滅ぼす為に来た異星人と名乗る少女・エリー(Ellie)が現れる。様々な超能力を持つが世間知らずなエリーと、暫く共に楽しく過ごしていた優。しかし遂にエリーは地震を起こして世界を滅ぼそうとし始め、優は必死で止めようとするが…。
 「夏の殺人者(NATSU NO SATSUJINSHA)」は「月刊ハロウィン」1994年10月号に掲載。バイト中の怪我で海に行けなかった城木(SHIROKI)は、自分の代わりに海へ行った正田(SHOUDA)が、知り合った女性と初体験を済ませたと聞いて悔しがるが、その女性の兄と名乗る転校生・島村(SHIMAMURA)に「妹をキズものにした」と勘違いされ、命を狙われる羽目になってしまう。城木と島村の関係に何処かBL色が漂うコメディ作品。
 「ダイヤモンドは永遠だ!(Diamond HA EIEN DA!)」は「月刊ハロウィン」1994年12月号に掲載。良太郎(RYOUTAROU)の婚約者で希里(KIRI)の姉だった夏子(NATSUKO)が亡くなり、2人は同居生活を始めるが、時折夏子の様な人格となる希里の行動に、良太郎は悩まされる。夏子の霊が取り憑いているのかと思いきや、姉の死を認めたくない希里が人格分裂を起こしていたと解り、夏子がとても大きな存在だった事を再認識する2人であった…。
 カバー折り返しの紹介文では「サイキック・ミステリー」と銘打たれており、殺人や超能力や霊を扱っているとは言え、厳密にはどれも「ホラー」とは言い難い。個性豊かなキャラ達のやり取りが楽しく、ストーリーの経緯や結果を追う事よりも、読み切りで使い捨てにするには勿体無い魅力あるキャラ達が過ごす日常空間そのものを楽しむのが醍醐味だ。

 「BUBL−バブル−(BUBL-Bubl-)」 阿部ゆたか(ABE YUTAKA)・・・・・「SCミステリー」1990年4月増刊・及び「LCミステリー」1990年9月増刊・10月増刊に掲載された作品に大幅に加筆して1991年11月20日に発行。
 春休みに父が勤める生体化学研究所へと遊びに来た美香(MIKA)は、そこで実験用として飼われているチンパンジーのバブル(Bubl)と仲良くなる。この研究所では工場地帯から出る汚水を浄化する為、汚染物質を食べるプランクトンを強化する薬品P−302の研究開発を行っていたが、バブルが誤ってP−302のビンを落として割り、傷を負ってしまった。3日後、傷口から入った薬品の作用で狂暴化したバブルは、父の助手の富宇賀(TOMIUGA)を含め何人もの研究所員を襲い、最後は富宇賀の友人・瀬谷(SEYA)によって仕留められる。しかし事件はこれで終わりではなかった。
 4か月後、瀬谷は自分が時折理性を失い、狂暴化するという夢に悩まされていた。しかしそれは夢ではなく、捕えられて生体化学研究所へと連れて来られた瀬谷は、化け物の様に変貌した富宇賀と対面する。丁度夏休みで美香も研究所へ来ていたが、バブルの亡骸が埋葬されず実験に使われていた事や、富宇賀の変貌、そして瀬谷の変身等、次々とショッキングな事実を目の当たりにしてしまう。一度は研究所から逃げ出した瀬谷だが、富宇賀を助け出し研究所員達に復讐する為、再び研究所へと潜り込む。富宇賀や瀬谷への容赦の無い父の仕打ちに反発する美香だったが、実は父自身も薬品の影響で化け物になり掛けていたのだった。そして破壊された研究所が炎に包まれる中、狂暴化した父と瀬谷との、最後の戦いが始まる…。
 ヒロインの美香が最後まで純真な良い子であり、狂暴化したバブルや化け物と化した父へもずっと変わらぬ愛情を持ち続けていた点には、事態の深刻さが飲み込めていない甘ちゃんである事は確かだとしても、やはり好感が持てるもの。結果的にはその美香の深い愛情こそが、バブルにとっても父にとっても救いになったのだろう。一方で、化け物と化した富宇賀に必死に呼び掛ける瀬谷と、その呼び掛けに反応し掛けていた富宇賀との男同士の友情にも、地味ながらも注目したい所。主要登場人物数名と、それ以外の人物や背景描写の絵柄がかなり違う為、作者自身が描いた量とアシスタントに描かせた量のどちらが多いのかと訝しんでしまうが、物語には素直に感動してしまった。あとがきによると、この作品を描く事になったきっかけは「後輩のマンガ家青山剛昌(AOYAMA GOUSHOU)君の話から」だったとの事であり、意外な所で意外な人物の名前を聞いてちょっとびっくり。

 「超こわい学校の怪談シリーズ 死をよぶピアノ(CHOU KOWAI GAKKOU NO KAIDAN Series SHI WO YOBU Piano)」 阿部ゆたか(ABE YUTAKA)&学校の怪談特報班・・・・・読者の体験談を漫画化した「超こわい学校の怪談」全6巻に続く新シリーズで、表題作を含む学校で起こった怪談全4話を収録。巻末には読者からのお便りコーナーも掲載されている。1996年5月13日発行。
 第1話「死をよぶピアノ」は、コンクールでのミスを苦に自殺した天才ピアニストの霊に取り憑かれた少女の話。
 第2話「恐怖の縁切りばさみ(KYOUFU NO ENKIRI-BASAMI)」は、行きずりの老人から貰った不思議なはさみを使って、好きな男子生徒を一人占めする為に、その男子生徒に繋がる縁の糸を次々と切っていく少女の話。
 第3話「呪いのコルセット(NOROI NO Corset)」は、演技力はあるのに太っている為ヒロイン役を貰えない演劇部員が、開かずのロッカーに入っていたコルセットを付け、病的なまでに痩せていくという話。
 第4話「血ぬられた花嫁(CHINURARETA HANAYOME)」は、自分に傘を貸してくれた女性が、結婚を間近に控え幸せの絶頂にあった時に轢き逃げに遭い、恨みの霊となってしまった事を知って、心を痛める少女の話。
 第1話と第4話は、ヒロインも死なず霊も成仏するという絵に描いた様なハッピーエンド。第2話と第3話はバッドエンドで、特に第3話はコルセットの謂れも不明なまま、ヒロインが痩せ細って入院するという投げ遺りな終わり方が、むしろ実際にあった出来事らしさを醸し出している様にも思え、僅か4話とは言え内容のバリエーションは豊富だと言える。しかし如何せん、絵の手抜き振りが余りにも酷い。本編の「超こわい学校の怪談」の方も「怖くない」という意見が目立つ様だが、それは明らかにこの絵の手抜き振りに原因があると思われる。話は悪くないので、もっと力を入れた絵でちゃんと描けば、それなりの良作に仕上がったのではないかと思うのだが…。

 「戦国ゾンビ〜百鬼の乱〜」柴田一成&横山仁 2巻・・・・・
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