最近購読した漫画243【古本/ホラー漫画(立風書房)】
【ホラー・ミステリー】今回の本は10/14・11/11・11/25に購入した物で、それぞれネットオークション、実店舗、オンライン古書店での購入となります。ひばり書房や立風書房のホラーコミックは、もはやネット古書店ですら余り見掛けなくなってしまい、今後はオークションで地道に探すぐらいしか手は無いのではないだろうか…と思っていたのですが、まだまだ探せば有るもので、久し振りに実店舗で見掛けた時には流石に驚き、興奮を隠せませんでした。
確かに流行りの漫画を高目に引き取って高く売るといった、儲け第一主義で節操の無いメジャーな大手古書店では、こういうレアでマイナーな昔の作品はそもそも引き取られる事が無い為、見掛ける事は一切無いものの、漫画以外にもオモチャやら古着やら釣り具やらトレーディングカードやら、より節操無く何でもかんでも扱っている、「古本屋」と言うよりは「リサイクルショップ」の部類に入る大きな中古ショップでは、まだ比較的手頃な値段で見付かる事もある様です。まだまだ自分の足で探してみる価値はあると言えるかも知れません。私のコレクションもある程度数を増してきた為、最近では既に持っている物もチラホラ見掛ける様になってきました。何となく良い気分ですね。
「呪いの猫の島(NOROI NO NEKO NO SHIMA)」 浜慎二(HAMA SHINJI)
「死神少女(SHINIGAMI-SHOUJYO)」 古城武司(KOSHIRO TAKESHI)
立風書房 レモンコミックス 恐怖シリーズ。1981年7月15日第1刷発行の描き下ろし単行本。背表紙のナンバーは37。
北欧のニーゲンドルフ地方にある、現在は全寮制の女学校として使用されている古城には、百年毎に城内にて魔女が誕生し、その都度様々な原因で大勢の人々が惨死するという恐ろしい伝説があった。村の人々を招いての、年に一度の楽しい学園祭の夜、日本人留学生のユウコ(YUUKO)は、村一番のハンサムのヨハンと学園一の美女のマーガレットの企みにより、森の中で怪物の扮装をした村の若者や同級生達に脅かされ、逃げている内に霧に囲まれた死神の砦と呼ばれる立入り禁止区域に迷い込んでしまう。地下迷路にて巨大な繭に包まれた多くの人々のミイラを発見し、ミイラの中から飛び出した赤い蛾の大群に襲われて意識を失ったユウコ。翌日放心した状態で学園へと戻って来るも、原因不明の奇病に侵されて体がむくみ、酷い臭気を放ち始め、塔の最上階へと隔離されてしまうのだった。時同じくして、森の中で巨大なイモ虫の様な姿をした怪物に生徒やシスターが襲われる事件が発生し、魔女の伝説を恐れる理事長は、神父を呼んで悪魔祓いの儀式を行う事にするのだが…。
「顔のない死神(KAO NO NAI SHINIGAMI)」 広永マキ(HIRONAGA MAKI)
立風書房 レモンコミックス 恐怖シリーズ。1981年8月15日第一刷発行。立風書房での広永作品1作目となる描き下ろし単行本で、巻末にはあとがきの他に、今後の抱負等も含めた作者のプロフィールが掲載されている。
同じ孤児院で育った、恋人同士のマイク(Mike)とローザ(Rosa)。孤児院上がりの彼等に対する世間の風当たりは冷たく、泥棒の疑いを掛けられ失業してしまったマイクは、アパートの大家に追い出され掛けていた所を、彼を捜していた私立探偵によって救われる。実はマイクは、メイヤー(Mayer)男爵が夫人と別れて再婚する予定だった女性と男爵との間に産まれた子供であり、男爵と夫人との間に産まれた兄のジェラード(Gerrard)が一年前に、男爵自身が半年前に亡くなった事で、メイヤー男爵家の相続人として、男爵の遺言により捜索されていたのだった。しかしメイヤー夫人は息子のジェラードがまだ生きていると言い、夫人に歩調を合わせる召し使いのギルド(Guild)と共に、マイクを財産目当てのニセ者と決め付け、様々な嫌がらせを仕掛けてくる。同じ頃、付近の村では、村娘達がカラスに襲われて死亡する事件が相次いでいた。マイクを追い、メイドとしてメイヤー家にやって来たローザの協力で、ジェラードの生死を確かめる為に彼の部屋に向かったマイクは、そこで思い掛けない物を目撃して、ギルドに殴り倒され、地下室に閉じ込められてしまう。一方、ローザはジェラードに気に入られたとの事で、花嫁とする為に夫人によってジェラードの部屋へと連れて来られるが…。
世の中や何かに対し不満を抱いている人物が多く登場し、その心の闇を象徴するかの様な、カラスが飛び交う枯れ木だらけの村の景色は陰欝で、猟奇的な雰囲気を醸し出している。当初は単純に、狂った夫人と夫人に協力するギルドが何事かを行っており、それを暴くミステリー仕立てのストーリーの様に思えるのだが、椅子に座っている後ろ姿のジェラードが登場し、更にそのジェラードがマイクの名を呼んだり夫人と会話する場面が描かれた辺りから、「ジェラードは本当に生きていたのだろうか?」といった新たな謎が生じ、事実が判明する終盤では非常に驚かされる事になる。
ローザを幸福にしてあげたいばかりに、不甲斐無い自分に嫌気が射して彼女につらく当たったり、男爵家の相続人という立場に拘ってしまうマイク、そんな彼の事を心配し、例え貧乏でも2人一緒に居る事を望むローザ、気位の高さ故に何でも自分の思い通りにならないと気が済まず、夫への反発心から息子のジェラードを溺愛するメイヤー夫人、そんな母からの圧迫に内心うんざりしていたジェラード、夫人への恩義から、狂った夫人に対し狂った行動で忠誠を示していたギルド、男爵家の主治医として、男爵との約束を守るという事のみならず、狂ってしまった夫人に現実を受け入れさせ、正気に戻す意味でも、マイクを相続人として認めさせる事に尽力するドクター・カーマイケル(Carmichael)。人物設定に説得力とリアリティがあり、多少強引に思える様な部分があっても、物語自体はごく自然に受け止める事が出来る。「2人一緒なら貧しくても幸福になれる」最後にようやくそう気付いて、屋敷跡を去るマイクとローザの姿は、実に晴れやかだ。
「亡霊!ミイラの鏡(BOUREI!Mirra NO KAGAMI)」 広永マキ(HIRONAGA MAKI)
立風書房 レモンコミックス 恐怖シリーズ。1983年12月15日第1刷発行。立風書房での広永作品3作目となる描き下ろし単行本。
10年前に行方不明となった少女・ミカ(MIKA)を捜す為、エジプトへとやって来たイギリスの青年・ティム・ワイラー(Tim Wyler)。ミカの父・黒崎大造(KUROSAKI DAIZOU)は、かつて盗んだ財宝を元手に財産を築いた実業家であり、ティムは彼の邸で雇われているばあやの孫で、ミカとは恋仲にあった。娘のミカを溺愛している大造は、外国の王家に仕えていたと言う怪しい女性・エイラス(Eilath)をミカの家庭教師として雇い、ミカはエイラスから、エジプトの骨董品で、未来を写すと言われている金の手鏡を貰う。誕生日に父から贈られた馬が暴れ出してミカは怪我をし、馬が暴走したのはエイラスの所為だと訴えるティム。一方、エイラスの企みを知ったばあやは殺され、ミカが貰った手鏡が、自分が盗んだ財宝と同じ物であった事から、大造は動揺。元々財宝目当てで大造と結婚した後妻のメアリー(Mary)は、エイラスに取り引きを持ち掛けるが、エイラスが操るかぶと虫の大群に襲われて命を落としてしまう。
エイラスは、自分が仕えていた王女の墓を黒崎に荒らされた復讐として、毒でミカの傷を悪化させてミイラの様な姿にした後、雷雨の中、王女の身代わりとしてミカを連れ去って行くのだった…。
最初に10年後のティムがミカを捜しにエジプトへとやって来た場面が描かれている事で、今後の展開への期待感は高まるが、10年前の時点ではどうあってもミカは助からず、最後には攫われてしまうという事が、この時点で既に決定しているとも言える。10年前に起こった出来事は非常に残酷で、ばあや、メアリー、大造、そして大造の悪事仲間のデビッド(David)、ジム・ケリー(Jim Kelly)等、主要キャラは殆ど全員死亡しており、傷が悪化して全身に広がっていくミカの姿も痛々しい。ある意味10年前の出来事は現在への布石に過ぎず、だからこそ残酷に何もかもを破壊する事が出来たのだろうとも言えるが、現在こそがメインなのかと思いきや、どんでん返し的な展開は何も無く、かなりあっさりと終了してしまう所はちょっと拍子抜け。最後にエイラスによって王女の墓に閉じ込められてしまったティムには、「たすけてくれー」と叫ばせるよりは、最初からミカと共に墓の中で朽ち果てる事を覚悟していた事にしておいた方が収まりが良かった様に思う。しかし何もかもを失いながらも10年もミカのことを思い続け、全く興味が無かった考古学者にまでなったティムの、この10年間の苦労と頑張りには拍手を送りたい。
「怪奇!スター誕生ものがたり(KAIKI!Star TANJYOU MONOGATARI)」 広永マキ(HIRONAGA MAKI)
立風書房 レモンコミックス 恐怖シリーズ。1984年7月15日第1刷発行。立風書房での広永作品4作目となる描き下ろし単行本。背表紙のナンバーは88。
芸能界での華々しいデビューを夢見ながらも、なかなかチャンスに巡り合えず、場末の劇場で燻っている研究生の境ルミ(SAKAI RUMI)。今や押しも押されぬ大スターの野々村さなえ(NONOMURA SANAE)とは同じ演劇学校出身で、かつては同じアパートの部屋で暮らす親友同士だったのだが、大事なオーディションの日に足をくじいて遅刻してしまった事で、せっかくの大きなチャンスを失ってしまい、代わりにそのチャンスを物にしたのがさなえであった事から、ルミはさなえの事を非常に憎んでいた。ある時街で出会った怪しい占い師の入れ知恵で、さなえに近付いたルミは、憎しみを隠してさなえと同じ舞台に立つ事を懇願。上手く端役を貰えたルミは、控え室に潜り込んで大道具のギロチンに細工し、さなえは舞台上で首を落とされ死んでしまう。
さなえの代役で主演女優の座を得たルミは、その後も占い師の助言を得て一気にスターへの階段を上り詰めていくが、さなえの亡霊に悩まされる様になった上に、慢心してすっかり性格が悪くなってしまった事で、付き人のサヨ子(SAYOKO)にも不満を持たれ始める。そして遂に占い師が「日本中の話題を独占し、永遠のスターになれる」と言う大舞台の公演初日がやって来た。ルミの運命は、そして占い師は一体何を企んでいるのだろうか?
主人公の境ルミを初め主要登場人物が全員腹黒い性格をしており、全体的に暗くドロドロとした内容で、芸能界が舞台であるにも関わらず華やかさは余り感じられないのだが、それでもルミは美人だし、男優の滝川良(TAKIGAWA RYOU)とのロマンス(実は滝川の所属プロダクション社長の指示による謀略)も描かれる等、少女漫画らしい見所もある。それで気付いたのだが、広永マキの作品は、ストーリーや内容は少女漫画なのだが、画風や世界観が何処となく少年漫画風なのだ。芸能界を題材にしたホラー漫画としては楳図かずお(UMEZU KAZUO)の作品に近い物があり、ストーリーだけを見ると「なかよし」や「少女フレンド」掲載作品を彷彿とさせる正統派少女ホラー漫画の様な内容でありながら、今一つメジャーになり切れなかった原因は、その少年漫画風の画風にあったのではないかと思う。しかしそのミスマッチ感覚が広永作品の魅力であるとも言えるので、この点は一概に弱点とは言い切れない面もある。ライバルの首をギロチンで落とすといった凄まじい残酷描写と表紙イラストのインパクトに加え、内容に対する興味をそそる妙なタイトルがよく話題に上る、レモンコミックス注目作品の1つ。
「学園恐怖シリーズ 私の彼は吸血鬼(GAKUEN KYOUFU Series WATASHI NO KARE HA KYUUKETSUKI)」 斉藤栄一(SAITOU EIICHI)
立風書房 レモンコミックス 恐怖シリーズ。1986年4月15日第1刷発行。「学園恐怖シリーズ」と銘打たれた、レモンコミックス後期の描き下ろし単行本。背表紙のナンバーは108。
麗子(REIKO)の通う市立高天原(TAKAMAGAHARA)中学校では、グラウンドの拡張工事の為、学校の裏手にある降神山(KOUSHIN-ZAN)を切り崩す工事が行われていた。そんな中、C組に転校して来たタツル(TATSURU)と云う名の美男子に、麗子や友人の千穂(CHIHO)を初め女生徒達は皆憧れを抱く。しかし放課後タツルと一緒に下校した女生徒が、ミイラの様に干からびた姿で発見されるという事件が立て続けに起こり、被害者は皆「血をすわれた」という言葉を残している事から、一連の事件は「バンパイア事件」と呼ばれ、タツルは事件に関係しているのではないかと疑われる立場に。タツルを尾行していた刑事達は、5人の恐ろしい形相をしたバンパイア達に襲われ、更に事件の謎を解く為に降神山の事を調べていた先生と麗子・千穂・麗子の両親までもが襲われてしまう。一万年以上も前に、光り輝く大きな三角形の物体が降りて来たと言われる降神山の伝説は、今回の事件とどういう関係があるのだろうか?そしてタツルの正体は?
降神山で眠っていた何者かがが、グラウンドの拡張工事により目覚め、今回の事件を起こしたのだろうという事は、序盤で容易に推測出来るのだが、彼等の正体が一万二千年前に滅んだムー帝国の生き残りであり、国を滅ぼした超磁力ミサイルの影響により壊血病に罹って吸血鬼化していたという、絶対に誰にも予想が付かない壮大且つ強引な理由付けには、驚かされる事請け合いだ。終盤は謎解きから一転して、5人のムー帝国人対タツルの超能力合戦となり、ホラーでは無くなってしまうのだが、ここまでムー帝国人達は血を吸った相手を死なせてはおらず、又、タツルや麗子も、ムー帝国人達が身も心も怪物と化し見境が無くなってしまう最後の最後に至るまでは、決して彼等を殺そうとはしていない。その点には非常に共感を覚える。しかし全ての事情を知った上で尚「どんな理由があっても血をすうのはよくないわ!」と叫ぶ麗子の言葉は少し考え無しの様にも思え、この時点で既にタツルを含めムー帝国人達は全員救われる事無く、滅びる以外に道は無いという事が決定付けられてしまった様で、その点は余りにも残念。この時代の医学で壊血病が治せないのであれば、更に医学が進んだ未来までシェルターの中で眠り続けるべく、何とか降神山の工事を止めさせるとか、そういうラストを望みたかった所。
↑2011年11月に購入した新刊18册
↑2011年11月に購入した古本72冊+同人誌1冊+ゲームソフト1本+ゲーム関連アイテム1個
今月購入した新刊は全部で18冊(内、雑誌4冊)。購入した古本は全部で72冊(内、ダブリ7冊・漫画以外2冊)、他に同人誌1冊・中古ゲームソフト1本という結果となりました。ダブリは大抵一度買った本の汚れ具合や傷み具合が許容範囲を超えていた場合に買い直すというのが主なのですが、かなり読み込んで自分で傷めてしまう恐れがある場合に、新刊で購入した方を保存用として取っておき、実用に古本を安く購入するというパターンもあり、今回購入した古本の中では、「なぞって上達! マンガ 背景・パース」がそれに当たります。これと「超能力少年 恐怖!雪女の氷の秘術」が漫画以外で購入した2冊。中古ゲームソフトはPSの「バイオハザード 体験版」で、今更感大有りではあるのですが、好きなゲーム故物珍しさも手伝って、つい手が出てしまいました。
---------------------------------------------
PR
Comment form
カレンダー
03 | 2025/04 | 05 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
27 | 28 | 29 | 30 |
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[02/03 IllelmiFs]
[10/08 manken99]
[10/07 甘茶]
[09/13 manken99]
[09/12 甘茶]
[07/25 manken99]
[07/25 甘茶]
[06/22 manken99]
最新記事
(09/28)
(07/19)
(07/15)
(06/30)
(06/27)
(06/25)
(06/10)
(06/05)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
manken99
性別:
男性
自己紹介:
単なる一介の漫画読み。
ブログ内検索
アーカイブ
最古記事
(05/29)
(05/30)
(05/31)
(06/01)
(06/04)
(06/05)
(06/06)
(06/10)
P R
カウンター