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漫画読書日記

自己満足の為の読書感想文。

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最近購読した漫画152【古本/ホラー漫画(曽祢まさこ)】



 今回の本は3/22・4/6・4/15・5/21に購入した物。元々「呪いのシリーズ(NOROI NO Series)」をかつての知人に薦められて読み始めた曽祢まさこ(SONE MASAKO)のホラー漫画、絵柄とキャラが凄く好きなんですよ。特にヒロインを含めた女性キャラには、派手なタイプの美人よりも地味な外見のキャラが多く、下がり眉毛で小さく口を開けた困った時の表情など、実に可愛らしい。時に強い個性を持った主人公も居るとは言え、何処にでも居そうな平凡なヒロイン像には、昔ながらの王道的少女漫画系ホラー漫画の系譜を今に伝えている様にも感じられ、非常に好感が持てるのです。

 さて、今日でブログを始めてから丁度1年が経ちました。出来ればこれまでに購入(及び紹介)してきた本は全て読み終えて感想も書き終えておきたい所だったのですが、未だに全てキチンと更新し終えていない点を腑甲斐なく思っています。元々「感想を書く」という決まりを自分に課す事で、新しく購入した本を積ん読状態にしない事が目的であり、当初は別の掲示板に立てたスレッド内容を流用したりと楽をしていたのですが、後に初版の日付を表記したり特定のジャンル毎に分けて紹介する等、新たな自分ルールが加わっていった事で、本を整理し感想を書く行為の方が、山程買った本を読む事よりも余程大変に思える様になってしまいました。しかし今では本を読んで感じたり思ったりした事を、誰にも言わずに自分の中だけにしまっておくのは勿体無いと思う様になった為、未だ未更新・未紹介の物も、いずれは全てキチンと感想を書いて紹介し終えたいと思っています。

 この忍者ブログを選んだ理由は、最終的にここへ辿り着く前に、幾つものブログサイトを回って何処が良いか検討していた所、私が使っているPC環境及びネット環境が劣っていた為に、そもそもサイト自体が表示されないといった不都合な点が多く、最終的に当時のPC環境でもスムーズに画像を上げたり日記を書いたりし易かったのが、この忍者ブログのサイトだったという訳なのです。これからブログを始める方には、PC弱者・ネット弱者にも優しいこの忍者ブログを、是非ともお勧めしたい所です。

 「呪い髪(NOROI-GAMI)」 曽祢まさこ(SONE MASAKO)
 1976年~1977年の作品を2本、1988年~1989年の作品を4本収録したホラー短編集。1991年8月4日発行。
 表題作の「呪い髪」は「ホラーハウス」1988年11月号に掲載。くせ毛にコンプレックスを持つ美紀(MIKI)は、自分の司(TSUKASA)への想いを隠して、長い黒髪が美しいクラスメートの真由子(MAYUKO)に司を紹介するが、真由子は他の男性とも付き合っており、抗議した美紀の事を逆に罵る始末。真由子を憎んだ美紀は、人形に針を突き立てる呪いを実行した事で憎しみが晴れ、「馬鹿な事をした」と反省するが、呪いは成就され、真由子は事故に遭い死んでしまう。
 「薔薇の柩(BARA NO HITSUGI)」は「ホラーハウス」1989年2月号に掲載。茜(AKANE)の妹の紫(YUKARI)には血を美味しそうに舐める性癖があり、母は厳しくそれを咎めるが、抑えの効かない紫はその後も血を吸う事を止めず、小鳥から子猫、更には人間へと、その対象はエスカレートしていくのだった。
 「惨劇の夜(SANGEKI NO YORU)」は「ホラーハウス」1989年6月号に掲載。千尋(CHIHIRO)の家で土曜の夜を過ごしていた千尋・鈴子(SUZUKO)・萌(MOE)の3人。元々は彼女達にみのり(MINORI)を加えた4人が仲良しグループだったのだが、みのりは四ヵ月前に死んで幽霊になってしまったのだと言う。家の前でみのりを見掛けた事が気になって仕方が無い萌。そしてみのりの彼女達への復讐が始まった。
 「春を夢みて(HARU WO YUME MITE)」は「ホラーハウス」1990年1月号に掲載。ロージィとアベルの祖父を中心に、一族9人は雪深い山奥の屋敷に閉じ籠り、野良犬からの襲撃に備えつつ、春を待つ日々を過ごしていた。しかし彼等の言う「野良犬」とは、助けを求めて屋敷に近付く人間の事であり、「冬」とは「核の冬」の事なのであった。
 「少女たちは午後…(SHOUJYO-TACHI HA GOGO…)」は「なかよし」1977年7月号増刊に掲載。仲良く人形遊びをしている少女達に意地悪や乱暴を働く少年達。母に告げ口され、妹のリセット(Reset)といがみ合う兄のアルベール(Albert)は、彼女達が屋敷の一室に閉じ籠って何をしているのか、秘密を探ってやろうと覗き見る。すると…。
 「ファニー=ベルの歌(Funny=Bell NO UTA)」は「なかよし」1976年6月号増刊に掲載。半年前に恋人のファニーと喧嘩したまま別れ別れとなってしまったジョイ(Joy)。久し振りに実家へ戻った際にファニーの家を訪ねた所、彼女は三ヵ月前に男と出て行ったまま帰って来ないのだと言う。悲しみに暮れるジョイは、自分が作ってファニーに贈った2人しか知らない筈の歌を、通りすがりの少年が口ずさんでいるのを聞き、少年が歌を聞いた場所へと向かう。
 繊細且つ丁寧な画風で描かれた愛らしい少女達の姿とは裏腹に、意外にドライな展開が多い事に驚かされる。「呪い髪」で美紀が人形に呪いを込めた事を反省したり、「薔薇の柩」で紫が純粋に姉を慕う気持ちが全く報われず、「惨劇の夜」でも必死で機転を効かせて何とか生き延びた萌に、より恐ろしい結末が待ち構えているといった具合に、どう転んでもバッドエンドに辿り着く事が運命付けられているかの様で、その容赦の無さが何よりも恐ろしい。作品解説のページによると、「惨劇の夜」では最後まで生存する萌の事を作者は嫌っていて、作中では嫌われ役として描かれているみのりの方に好感を持っているとの事であり、敢えて必要以上に登場人物に感情移入せず、「怖い物語」を描く事に徹している姿勢が伺える。
 「春を夢みて」は核戦争をテーマにしたメッセージ性の強い作品なのだが、暖炉の前で皆が思い思いに過ごしている様子は何だか楽しそう。個人的に、非常に好きなシチュエーションでもある。
 「少女たちは午後…」と「ファニー=ベルの歌」は単行本発行時の十数年前に描かれた古い作品だが、物語が始まった時点で既に事件は起こっている為、主人公には真相を知る事ぐらいしか出来ず、変えられない運命の残酷さや容赦の無さの片鱗を既に見い出す事が出来る。前者は力関係が逆転する恐ろしい話、後者は後悔してもし切れない非常に悲しい話だ。

 「悪魔の十三夜」 1・2巻 曽祢まさこ

 「赤い闇の烙印」 曽祢まさこ

 「幻想組曲-ばらによせて-」 曽祢まさこ

  「緋色のマドモアゼル(HI-IRO NO Mademoiselle)」 曽祢まさこ(SONE MASAKO)
 「ミステリーサスペンスセレクション」と銘打たれた、2本の中編ホラーを収録した作品集。1993年7月13日第一刷発行。
 表題作の「緋色のマドモアゼル」は掲載誌及び発表時期不明。我侭で、退廃的な友人達と派手に遊んでばかりいたアデル(Adele)は、嘘や悪口が嫌いと言う真面目な青年・ジャン=ルイ(Jean-Louis)と知り合い、彼に惹かれていく。遂に婚約する事になった2人だが、我侭であるが故に幼い頃から多くの人々を傷付けてきたアデルは、その過去を知る何者かに手紙で脅され、ジャン=ルイにだけは自分の過去を知られまいと、必死に隠そうとするが…。
 「美里へ…(MIRI HE…)」は掲載誌及び発表時期不明。15歳の誕生日を迎えたばかりの美里は、二つ年上の幼馴染みの勇一(YUUICHI)とは、恋人の様な実の兄妹の様な親しい間柄。同じ学年の広橋(HIROHASHI)から告白された美里は、勇一以外の男性には一切興味が無い為キッパリと断るが、なかなか諦めない広橋の事を勇一に相談した所、広橋は自転車のブレーキが壊れていた為にトラックにぶつかりそうになり、怪我をしてしまう。過去にも何度か似た様な経験をした覚えがあった美里は、自分を脅かす相手が現れる度、勇一がその相手を人知れず排除したり傷付けたりしているのではないかと疑い始める。
 アデルが過去にしてきた事、勇一が過去にしてきた事、一方は本人の我侭の結果であって明確な悪意は無く、又、犯してきた罪に対する罪悪感を感じているという点、一方は明確な悪意があり人死にまで出しているものの、好きな相手を守ろうとしたが故の行為であって、どちらにも情状酌量の余地はある様に思われるが、本来ならここまで罪を重ねる前に、もっと早く何処かで気付いておくべきだったのだろう。ジャン=ルイとの破局を迎える「緋色のマドモアゼル」のラストも、自分自身が美里を苦しめていた事に気付いた勇一が、自殺しようとした挙句行方不明となってしまう「美里へ…」の終盤の展開も、どちらも余りにも物悲しい(「美里へ…」のラストシーンだけは実はちょっと恐い)。

 「迷宮事件簿」 曽祢まさこ

  「いつか誰かに殺される(ITSUKA DAREKA NI KOROSARERU)」 曽祢まさこ(SONE MASAKO)
 「ミステリーサスペンスセレクション」と銘打たれた、5本のホラー作品を収録した短編集。1995年11月13日第一刷発行。
 表題作の「いつか誰かに殺される」は掲載誌及び発表時期不明。お喋りが過ぎる余り、知らず知らず他人を傷付けたり怒らせてしまう事の多い啓子(KEIKO)は、両親の留守中に電話で「殺してやる」と脅され、家の周りを何者かがうろつき始める。
 「しのび寄る殺意(SHINOBIYORU SATSUI)」は掲載誌及び発表時期不明。デパートで万引きを目撃した事から、明らかな殺意がのり子(NORIKO)を襲う。皆が憧れる上級生の貴征(TAKAYUKI)と交際しており、彼の母との仲も良好だったのり子だが…。
 「追いつめられて(OITSUMERARETE)」は掲載誌及び発表時期不明。プレイボーイで何人もの相手と付き合ってきた竜二(RYUUJI)は、ジャンボとあだ名される大柄な少女・大場(OOBA)から、何時も様々な嫌がらせを受けていた。彼女の友人を振った事が原因らしいが、日頃の素行の悪さ故、誰に訴えても、逆に竜二が悪いとされてしまう始末。追い詰められた竜二は、ある日とうとう…。
 「鹿の住む里(SHIKA NO SUMU SATO)」は掲載誌及び発表時期不明。奈良へ旅行に来た姿子(SUGAKO)・美和子(MIWAKO)・千香(CHIKA)の3人。行く先々で、憎しみの籠った目で睨み付ける大鹿を何度も見掛ける姿子だが、何故か他の2人の前には全く姿を見せない大鹿の正体は果たして…!?
 「魔ヶ淵の公園(MAGAFUCHI NO KOUEN)」は「Me-Twin」19??年?月号に掲載。とある公園で起こった3つの怪異を描いたオムニバス。ごく単純な「第1話 砂場の怪」、少女が地面に描いた絵が実際に起こる「第2話 「何を描いているの?」」、深夜の公園で男女が襲われる「第3話 ミッドナイト・パーク」の3本立て。
 巻末の作品解説「おまけのぺえじ(OMAKE NO Page)」によると、「いつか誰かに殺される」はタイトルから先に考え付いたとの事。全体的に、短いページ数の中でさんざん怖い思いをさせられた挙句、ストレートに割と呆気無く最後に主人公が殺される展開が多く、このタイトルは収録作品全体の傾向をよく表している様に思う。殺人にまで至るかどうかはともかく、「いつか誰かに殺される」「しのび寄る殺意」「追いつめられて」の様に、人知れず恨みを買っていたり、被害を受けている方が逆に疑われてしまうといった状況は現実に誰の身にも起こり得る為、これ等の状況設定には、かなりリアリティが有ると言える。一方、超自然現象を扱った「鹿の住む里」と「魔ヶ淵の公園」の2本は、状況設定よりも旅行・身近な公園といった舞台設定の方に現実感が有る。雑誌の特集で、旅行物のホラー作品を依頼されたとの事で描かれた「鹿の住む里」は、鹿を恐怖の対象として描いた点が動物系ホラーの中でもかなり珍しく、同作者の作品内でも異色の部類。この「鹿の住む里」と「いつか誰かに殺される」の2本に、主人公の友人として千香という眼鏡のキャラが登場しているが、作品同士の繋がりは無い様なので、これも一種のスターシステムだと言えそうだ。他の作品にも登場している様なので、探してみるのも面白いかも知れない。
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