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漫画読書日記

自己満足の為の読書感想文。

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最近購読した漫画149【古本/ホラー・サスペンス(講談社・少女漫画)】



 3月・4月は殆ど何も考えずに欲しい本を手当たり次第に買っていた所があった為、今月はそのフォローに回る様な買い物の仕方をしています。抜けている巻や同じ作者の関連作品を探して買うといった行為がそうなのですが、探している本がどうしても見付からない事も多く、目的の達成にはかなりの苦労が伴います。
 今回は講談社発行の少女漫画雑誌に掲載されたホラー及びサスペンス作品を集めてみたのですが、菊川近子の「赤い爪あと」や高階良子の殺人事件シリーズ等、人気が高い物は、最初に発行された新書版どころか、復刻版ですら見付けるのはなかなか難しい。関よしみの「黒髪のメデューサ」も、評判だけはよく耳にする割に、一向に実物を目にする機会に恵まれなかったのですが、今回ようやく何とか入手する事が出来ました。実はかなり傷んでいる為買い替えたいと思っているのですが、2冊目を入手するなど、並大抵の苦労では達成出来そうにない無謀な願いである様にも思えます。
 今回の本は2011年3/22・4/6・5/2・5/21・5/25に購入しました。

 「心霊夜(SHINREI-YA)」
 菊川近子(KIKUKAWA CHIKAKO)

 講談社 講談社コミックスフレンド。1988年10月13日第1刷発行。1987年~1988年に発表された3本のホラー作品を収録した中・短編集。

 表題作の「心霊夜」は「週刊少女フレンド」1988年9月1日増刊号に掲載。2年前に林の中の古い家に引っ越して来た日野原(HINOHARA)一家。娘の美里(MISATO)は、子供に恵まれなかった両親が12年前に施設から引き取った血の繋がらない子供であり、実の息子の圭太(KEITA)が産まれてからというもの、母は圭太ばかり可愛がり、美里に冷たく接する様になっていった。夜毎子供の泣き声や金髪の女性の幽霊を見るといった怪現象に悩まされていた母は、幽霊が圭太を連れて行くかも知れないと危惧し、その不安通りに圭太はある日突然死んでしまう。その後も怪現象は続き、美里に嫌がらせをした女生徒・上島(UESHIMA)が殺害された事で、圭太と上島の死は、潜在的な憎しみから無意識の内に自分がやったのではないかと、美里は不安がる。
 「額の中の風景(GAKU NO NAKA NO FUUKEI)」は「ハローフレンド」1987年6月号に掲載。祖母が亡くなり、莫大な遺産を相続する事になった美鈴(MISUZU)。メードの奥村(OKUMURA)の話では、祖母は望まぬ結婚により産まれた美鈴の事を憎んでいたとの事であり、階段の壁に掛けられた祖母の墓の絵が日毎に変化し、墓から蘇った祖母が段々家に近付いて来る。
 「黒猫の儀式(KURONEKO NO GISHIKI)」は「ハローフレンド」1987年12月号に掲載。黒猫を使って、怪我や病気、自分自身の老いた肉体でさえも他人に移し換える事の出来る呪い師の老婆。不治の病を患っている由香子(YUKAKO)の母は、由香子の同級生の令子(REIKO)と体を入れ換えていた呪い師に頼んで、由香子の病気を他人に移す事により治して貰うが、その後口封じの為に呪い師をナイフで殺害。しかしその致命傷は由香子に移し換えられ、せっかく助かった由香子は結局死んでしまう羽目に…。

 作者にとって初めての長編読み切りと言う「心霊夜」は流石に力が入っていて、30年前の霊が今回の事件にどう関わっているのか、本当に美里がやったのかと先が気になり、全120Pと読み応えも十分。菊川作品によく見られる「ヒロインと友人との、ごく自然な助け合い」も描かれていて満足のいく内容だ。2本の短編はどちらも可哀相なヒロインが救われないバッドエンドで、特に「額の中の風景」は主要登場人物が2人しか居ない(脇役も含めると5人)事からも、余分な部分を削ぎ落としてスッキリと纏まった印象がある。「黒猫の儀式」は、いばら美喜(IBARA MIKI)の「くろねこ(KURONEKO)」(後に「化け猫少女(BAKENEKO-SHOUJYO)」「怪談!!黒猫(KAIDAN!! KURONEKO)」に改題)と殆ど同じ設定とストーリーなので、下敷きにした事はほぼ間違い無いと思われる。少女漫画向けに、登場人物の相関関係等がより無理の無い設定にアレンジされている様だが、余韻を残さずあっさりと終わるラストシーンまで似通ってしまっているのは、ちょっと頂けない。


 「黒髪のメデューサ(KUROKAMI NO Medusa)」 関よしみ(SEKI YOSHIMI)

 「高階良子傑作選3 黒とかげ(TAKASHINA RYOUKO KESSAKU-SEN3 KURO-TOKAGE)」 江戸川乱歩(EDOGAWA RANPO)&高階良子(TAKASHINA RYOUKO)
 江戸川乱歩の小説が原作の中編ミステリーを2本収録した作品集。

 「レディに捧げる殺人物語」 名香智子

 「恐怖短編傑作選 紅色の骨2 [死者の呪い編](KYOUFU TANPEN KESSAKU-SEN NIJI-IRO NO HONE2 [SISHA NO NOROI-HEN])」 菊川近子(KIKUKAWA CHIKAKO)

 「恐怖短編傑作選 赤い爪あと(KYOUFU TANPEN KESSAKU-SEN AKAI TSUMEATO)」 菊川近子(KIKUKAWA CHIKAKO)
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