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漫画読書日記

自己満足の為の読書感想文。

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最近購読した漫画137【古本/ホラー漫画(朝日ソノラマ)】

 「本との出会いに「運」とか「縁」の様な物を感じた時」

 4月15日の夜、友人に「車で出掛けよう」と誘われた。6~7年ぐらい前までよく利用していた大きな書店が潰れ、近所に品揃えが豊富な大きい書店が無く不便に感じていた所、インターネットでその書店の支店が2軒ある事が解ったので、住所を調べて、これから行こうと言われたのだ。友人からの誘いは何時も突然なので、正直言って面倒ではあったが、最近その友人からの誘いを断り続けていたという事もあり、断ってばかりというのも悪いので、軽い気持ちで付き合う事にした。カーナビに住所を入力して、家から車で45分ぐらい離れた、その書店の住所の場所まで向かった。
 しかしそこに書店は無かった。あったのは大手チェーンの古本屋とスーパー銭湯。どうやら目当ての書店は、疾うの昔に潰れていたらしい。一応その古本屋でも買い物はしたが、大手チェーンなので珍しい掘り出し物がある訳でもなく、目的の書店が無かった事にがっかりして、もう1軒の住所の方に向かう事にした。ここから更に20分ぐらい離れた場所だ。
 そこにも書店は無く、住所の場所はコンビニになっていた。周辺は閑静な住宅地であり、大きな書店がありそうな場所には、とても思えない。がっかりして帰ろうとした時、不意に友人がコンビニの近くに何か「本」と大きく書かれた店の看板を見掛けたと言うので、一応行ってみる事にした。
 そこにはガレージを改造した様な、かなり小さい個人経営の古本屋があった。時間はPM22:07。明かりは点いていたが、狭い入り口以外の部分は既にシャッターが下ろされており、閉店間際である事を思わせる。「今から店に入るのは迷惑なのではないだろうか…?」とも思ったが、せっかくここまで来たのだからと、一応入ってみる事にした。


 ↑そこで見付けて買ったのがこれ等の本。真ん中の列と左端の列の本は全て1册50円で、一番上の「野球しようぜ!(YAKYUU SHIYOUZE!)」のみ100円。右端の7册はレジの近くのレア物コーナーに置かれていて、少し高い値段が付けられていたのだが、「これは珍しい本だから高そうだな…」と物色しながら独り言を言うと、店主は「全部半額で良い」と言ってくれた。全部で41册、合計金額は2850円。安い値段相応に傷みや日焼けが激しい物も混じっているが、自分にとっては全てが掘り出し物だ。
 我々が店を出たすぐ後、店主はシャッターを完全に降ろして店を閉めていた。多分本来はPM22:00が閉店時間だったのではないかと思う。思い掛けず良い買い物をした帰り道、私は今回の出会いがかなり「運」に左右されていた事を感じていた。もし友人の誘いを断っていたら、もし書店が見当たらない事にがっかりして、すぐに帰っていたら、もし友人が「本」と書かれた看板を見付けていなかったら、もしその古本屋がPM22:00で閉店していたら…。私がこれ等の本を見付けて購入する事は無かったのだ。そして多分、家から車で1時間以上掛かるこんな場所へは2度と来ず、これ等の本にも永久に出会っていなかったに違いない。

 今回の本は全て4/15に上述の古本屋で購入した物で、昨日と同様、最近凝って集めている朝日ソノラマのハロウィン少女コミック館シリーズで纏めてみました。



 「まぼろしの声を聞いて(MABOROSHI NO KOE WO KIITE)」 和気はるか(WAKI HARUKA)
 朝日ソノラマ ハロウィン少女コミック館。1989年3月20日初版発行。1987年~1989年に雑誌上で発表された表題作を含む作品に描き下ろしを加えた、全8本のホラー作品を収録した短編集。8本中6本が実話系ホラー、2本が創作系ホラーとなっている。

 表題作の「まぼろしの声を聞いて」は1988年「月刊ハロウィン冬の増刊号」に掲載。これまでの恐怖体験漫画執筆後、母が骨折や捻挫等、何度も足を怪我してしまったという話を皮切りに、母の知り合いの霊能者に纏わる話、新築の家が建ち並ぶニュータウン全域に広がる数々の霊現象、作者が女子校時代に体験したり見聞きした学校の怪談、作者が生まれた時に作った市松人形と、雛人形に纏わる話といった、様々な実話怪談を紹介。
 「魂の溜まり場(TAMASHII NO TAMARIBA)」は1988年「月刊ハロウィン夏の増刊号」に掲載。霊に好かれ易い体質の智(SATORU)は、小学生の頃の田舎での体験を皮切りに、若い女の霊に憑かれて金縛りに遭ったり、GFに憑いていた水子の霊に取り憑かれるといった被害に遭い続けていた。強い背後霊を祓った事で三面の守護霊が現れ、ようやく少しは楽になった筈だったが…。
 「影たちの足音(KAGE-TACHI NO ASHIOTO)」は1989年「月刊ハロウィン冬の増刊号」に掲載。大学病院で看護婦をしている作者の従姉妹・佐知子(SACHIKO)の体験談。深夜の見回りの際に、廊下で倒れていた患者を病室まで送って行った所、その部屋にはベッドの用意がされておらず、疾うに亡くなっていたその患者の霊は、その後も佐知子に纏わり続ける。他にもその病院では、幾多の不思議な現象が…。
 「白い手の怨(SHIROI TE NO ON)」は「月刊ハロウィン」1987年11月号に掲載。母と妹の由布子(YUUKO)を事故で亡くし、悲しみに暮れるるり(RURI)は、同様に去年事故で母を亡くした従兄弟の康弘(YASUHIRO)に励まされ、父の提案で今度の事件を早く忘れる為にと、康弘の父を含めた4人で旅行に出掛ける事になる。葬儀の日から度々るりの前に現れる様になった母と由布子は、るりに一体何を訴えようとしているのだろうか…?
 「呼ぶ声…(YOBU KOE…)」は「ハロウィンナイト2 1987年初夏増刊号」に掲載。誰かに呼ばれる様な幻聴に悩まされている綾子(AYAKO)は、妊娠中のストレスだと医師に診断されるが、信号で誰かに突き飛ばされたり、何者かに追われる夢を見る等、事態は幻聴だけに留まらなくなっていく。ある日、5か月もの間行方不明だった夫の弟・修司(SHUUJI)から、こちらに来るという電話が掛かってくるが、実は修司は以前綾子が殺して埋めていたのだった。
 「いはずもがなと…(IWAZUMOGANA TO…)」は「月刊ハロウィン」1987年8月号に掲載。親戚の叔母さんが見たと言う夢の話、祖父が亡くなる1か月前に見た、既に亡くなっている筈のお婆さんの後ろ姿、アシスタントに行った先で夜中に見掛けた人影、電話を掛けて確認したにも関わらず、何故かなかなか辿り着けなかった店の話等、霊感は全く無いと言う作者がこれまでに体験した、不思議な出来事の数々を紹介。
 「わざわいの素(WAZAWAI NO MOTO)」は1987年「VIVID YOU ミステリースペシャル」に掲載。作者が中学生の頃、雷雨で真っ暗な家の中で見掛けた入院中の叔母の姿、自殺の名所に行った際に女性の霊に取り憑かれてしまった「Tくんの場合(T-KUN NO BAAI)」、幽霊屋敷の取材で恐ろしい心霊写真を撮影した「友人 Kさんの場合(YUUJIN K-SAN NO BAAI)」、守護霊についての「余談(YODAN)」の、4つの不思議な話を紹介。
 「その後の話…(SONOGO NO HANASHI…」は描き下ろしの後書き漫画。相変わらず霊は見えないと言う作者だが、漫画の題材に使った人々が何らかの霊的被害に遭ったり、家に来た客の中に体調不良を訴えてすぐに帰ってしまった人が居たり、噂に聞いた幽霊タクシーに出会うといった経験をした模様。

 まず、青白い女性の姿に真っ赤な血という表紙イラストのコントラストが素晴らしい。タイトルとの組み合わせで、何処となく神秘的な雰囲気が感じられ、内容に対する期待感も高まるというもの。収録作品の殆どが作者自身の体験や作者の周囲で起こった実話系怪談という点は意外だったが、絵柄そのものはそれ程グロテスクに描かれている訳ではないにも関わらず、事実を淡々と描くという作風と、体験者達が置かれているシチュエーションとの相乗効果で、どの話もかなり恐ろしく思えてしまう。体験者が霊に取り憑かれるといった、実害の伴う大きな出来事が目立つ一方、足だけの霊や窓に映る人影、暗闇の中ベッドに寄り添う影、心霊写真に写った白骨等の、ごく単純な一場面にも、かなりゾクッとするものを感じさせられた。
 創作系ホラーに関しては、「白い手の怨」では、会社が経営難だからと保険金目当てに妻子共々手に掛ける父と叔父、「呼ぶ声…」では、夫が無精子症だからと子供欲しさに愛してもいない男と子供を作る妻、といった具合に設定には少々強引な所があるものの、「あった出来事を淡々と描く」という作風が功を奏して、実話系ホラーと共に収録されていても違和感を感じさせない程に、不自然さは緩和されている様に思われた。


 「幻樹をさがせ!!(Ghost Tree WO SAGASE!!)」
 原作/竹河聖(TAKEKAWA SEI) 絵/川村真弓美(KAWAMURA MAYUMI)

 朝日ソノラマ ハロウィン少女コミック館。1989年3月20日初版発行。「月刊ハロウィン」1987年1月号~6月号に連載された学園ホラー。

 放課後の教室に残って怪談話をしていたやよい(YAYOI)・翠(MIDORI)・陽子(YOUKO)を中心としたクラスの面々を、委員長の有沢(ARISAWA)が注意しに来た所、突然教室中の机や椅子が宙に浮かぶポルター・ガイスト現象が起こる。翌日翠は、彼等のクラスにやって来た転校生・上杉(UESUGI)の背後に鎧武者の亡霊を目撃。上杉の周囲で、明らかに上杉を狙ったポルター・ガイスト現象が起こり、原因を知る為に皆で降霊術を行った所、元古戦場跡だったこの地で、上杉の先祖・扇谷上杉定正(OOGIGAYATSU UESUGI SADAMASA)によって滅ぼされた太田道灌(OOTA DOUKAN)一族の霊が、子孫である上杉に復讐しようと現れる。霊能力で怨霊を撃退したやよいだったが、今度は巨大な植物が学校を覆って生徒達を襲い始め、遥か古代から神木によりこの地に閉じ込められている「先住民族」と名乗る声が、怨霊を鎮める為に自分達を開放すべく、その「木」を探す事をやよいと翠に懇願する。

 終始学校内を舞台に、僅か3日間の間に起こった出来事を描いた物語なのだが、ギャグパートではふざけていても、やる時にはやる個性豊かで頼もしい面々や、大和朝廷の時代にまで遡る壮大な設定、学校中を植物が覆う後半の展開や、「木」の呪縛が解け、先住民族達が開放される終盤の美しい見開きのシーン等、当時の意欲的なオリジナルアニメーションを思わせる内容で、正しく「アニメを漫画で描いたらこうなるだろう」と思わせる、計算されたストーリー展開と見せ方の上手さが噛み合った、かなりの秀作。この為に霊能力を持っていたと思われるやよい・上杉・翠の3人は、役目を終えた事でその力も失ってしまったが、「全てが終わってしまった」と言うよりも、普通の高校生としての生活が「これから始まる」という事を示唆したラストシーンは、爽やかで清々しく、寂しさを感じさせない点がとても良い。


 「薔薇結社」 井出知香恵
 1989年4月20日発行。

 「吸血鬼ドラキュラ(Dracula)」 JET
 1990年6月20日発行。

 「魔の刻通り」 三原千恵利
 1991年9月20日発行。

 「悪魔なKissしたい♡」 三原千恵利
 1994年10月20日発行。
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