最近購読した漫画249【古本/ホラー漫画(ひばり書房)】
【ホラー・ミステリー】今回の本は12/6・12/14に購入。6冊中4冊がオークション、2冊が実店舗での購入です。
「白へび娘の墓(SHIROHEBI-MUSUME NOHAKA)」 杉戸光史(SUGITO KOUJI)
ひばり書房 ヒット・コミックス 怪談シリーズ。1985年8月6日初版発行。1971年9月30日に発行された黒枠の描き下ろし単行本「白へびの墓(SHIROHEBI NO HAKA)」の表紙とタイトルを変更し、初版として再発行した物。背表紙のナンバーは95。夏休みに田舎の従姉妹の家へ遊びに行った兄妹が体験した、恐ろしい蛇神様の伝説に纏わる事件を、「第一章 落雷(RAKURAI)」「第二章 恐怖の伝説(KYOUFU NO DENSETSU)」「第三章 よみがえった白蛇(YOMIGAETTA SHIROHEBI)」「第四章 血の池地獄へ(CHINOIKE-JIGOKU HE)」の全四章仕立てで描く。
夏休みに従姉妹のめぐみ(MEGUMI)の家に向かうべく、天女ガ原(AMAGAHARA)を歩いていたタケシ(TAKESHI)・マキ(MAKI)兄妹は、途中の森で見掛けた白蛇塚(SHIROHEBI-DUKA)を調べようと近付いた所、妙覚寺(MYOUKAKU-JI)の和尚に「たたりがある」と言われて追い払われる。その夜、白蛇塚の事が気になる余り、白蛇に襲われる夢を見て魘されるマキ。たたりを信じないタケシは、たたりがあるかどうか試す為に、明日蛇塚をいたずらしに行くと言う。その後激しい雨が降り出し、落雷が白蛇塚を破壊。地面に空いた穴から不気味な壷が現れる。
翌日、マキがめぐみから聞いた白蛇塚に纏わる伝説とは、今から四百年前、庄屋の息子・次郎(JIROU)が美しい娘に化けた白蛇に取り憑かれ、奇行が目立ち始めた挙句、精気を吸い取られて衰弱し、白蛇は退治され白蛇塚に封じ込まれたものの、次郎は衰弱が激し過ぎた為に結局死んでしまったという物だった。白蛇塚に向かったタケシは、壷の中から現れた白蛇が化けた娘・紗織(SAORI)に誑かされ、精気を吸われて、蛇の様に沼で蛙を捕って喰らったり、体中が蛇のウロコで覆われるといった、白蛇憑きの兆候が現れ始める。タケシを助ける為、白蛇を退治する方法を皆が相談し合う中、医者の息子・三平(SANPEI)に何やら考えがあると言うが…。
白蛇は元々石の下敷きになっていた所を次郎に救われた事で、娘の姿になって次郎に近付いたのであり、「牡丹灯篭(BOTAN-DOUROU)」の様に、人間の男と、男の精を吸わねば存在し得ない物の怪の女との悲恋を描いているものと思っていたのだが、終盤でタケシの精気を吸い尽くして死に至らしめようとする紗織の姿が描かれ、白蛇が人間に害を成すだけの邪悪な存在に過ぎなかった点には、少しガッカリさせられた。紗織がタケシの名を最初から知っていて、タケシが来るのを長い間待っていたと言う思わせ振りなセリフにしても、実はタケシとマキが庄屋の血筋の者で、タケシの顔が次郎に似ている(或いは生まれ変わり)といった過去の伝説との繋がりがあれば、より説得力が増した様に思うのだが…。それでも四章仕立てになっている点には工夫が見られるし、最初に描かれた時代が1971年と古い事からも、詰めの甘さ等の貸本テイスト溢れる内容は、ある意味魅力と言って良いかも知れない。マキ・めぐみ・紗織達女性陣は皆美しく、紗織と次郎やタケシとのキスシーンには、擬似的性行為の様な艶かしさが感じられる。低年齢層向け故に直接的な性行為シーンは描けなかったものと思われるが、描かれていない所でそうした行為は当然あるものと考えて間違いは無いと思う。そう考えると、やたら出て来る「男の精を吸い取る」という表現は、かなりエロティックに思えてくる。
「呪いの顔が私の背中に!!(NOROI NO KAO GA WATASHI NO SENAKA NI!!)」 川島のりかず(KAWASHIMA NORIKAZU)
ひばり書房 ヒット・コミックス 怪談シリーズ。1984年8月16日発行。ひばり書房での川島作品5作目となる描き下ろし単行本。背表紙のナンバーは185。
ピアノの稽古をしていた亜実(AMI)の背中に突然現れた恐ろしい人面疽。それは、亜実と元恋人だった芦沢(ASHIZAWA)を怨んで死んでいった姉・瑠璃子(RURIKO)の呪いに因る物であった。かつて姉の瑠璃子が生きていた頃、男の子と喧嘩して勝つ程活発な子供だった亜実は、躾に厳しい母から疎んじられており、美人で優しく出来の良い姉の瑠璃子に対する嫉妬心が亜実の中で芽生え膨らんでいった。そんなある日瑠璃子が病に倒れ、当初は頻繁に見舞いに来ていた芦沢も、その内連絡すら寄越さなくなってしまう。不安になった瑠璃子が病院を抜け出し、芦沢のアパートで見た物は、妹の亜実と芦沢が、ガンであと一年の命という瑠璃子を差し置いて仲睦まじく付き合っている様子であった。以後、瑠璃子は病室で亜実と芹沢に対する呪いの絵を描く事に没頭し、絵が完成した夜、階段から落ちて死んでしまう。瑠璃子の死後、亜実と芦沢は堂々と付き合う様になり、母に咎められるも逆らい続ける亜実。ある時背中に痛みを感じて小さな吹き出物が出来た事を切っ掛けに、吹き出物は背中一面に広がり、とうとう亜実の背中に大きな醜い人面疽が浮かび上がったのであった。
物語は、北園(KITAZONO)家で働いていたお手伝いのトヨ(TOYO)の昔語りという形で進行するのだが、この時点でトヨ以外の人物が皆死んでしまう事が暗示されていると言える。亜実は母や瑠璃子への反発心から芦沢と付き合っていたのであって、本当に芦沢の事を愛していた訳ではなく、芦沢も又、北園家の財産が目当てで瑠璃子や亜実と付き合っていたのであって、彼女達を本当に愛していた訳ではなかった。人面疽は単に亜実を苦しめる為に現れたというだけではなく、芦沢に亜実を見限らせる事で、芦沢の本性を亜実に知らしめる効果があったと考える事も出来るだろう。瑠璃子にしか懐かなかった飼い猫のクロ(KURO)が、瑠璃子の死後、亜実や芦沢の頭上から物を落とすといった怪しい行動を取るのだが、芦沢が秘密を知った母や亜実を殺そうとする場面では、芦沢の邪魔をする為に飛び出し、死に行く亜実を慈しむかの様に傷口を舐めるといった、瑠璃子がクロに乗り移っていたかの様に思わせる場面が幾つかある。憎み合っている様に見えても、本当は仲の良い姉妹であり親子だったのだ。それが何処でどう歯車が狂ってしまったのか…。余りにも悲し過ぎる幕切れと言わざるを得ない。
「呪われた死体(NOROWARETA SHITAI)」 川島のりかず(KAWASHIMA NORIKAZU)
1985年12月発行。
「私の影は殺人鬼(WATASHI NO KAGE HA SATSUJINKI)」 川島のりかず(KAWASHIMA NORIKAZU)
ひばり書房 ヒット・コミックス 怪談シリーズ。1988年2月16日発行。
「地獄花(JIGOKU-BANA)」 川島のりかず(KAWASHIMA NORIKAZU)
1988年8月初版発行。
「私は生血が欲しい(WATASHI HA IKICHI GA HOSHII)」 川島のりかず(KAWASHIMA NORIKAZU)
1988年9月初版発行。
↑ダブリ購入の「呪いの針地獄(NOROI NO HARI-JIGOKU)」と「血だらけの少女(CHI-DARAKE NO SHOUJYO)」。「呪いの針地獄」は後に「みんな死んじまえ!!(MINNA SHINJIMAE!!)」というタイトルに変更して再発行、「血だらけの少女」は「私を殺さないでよ!(WATASHI WO KOROSANAIDEYO!)」のタイトル変更再発行バージョンなのだが、何故か良く見掛けるのはこちらのバージョンばかりで、「みんな死んじまえ!!」と「私を殺さないでよ!」の方を全く見掛けないのが不思議でならない。どうせなら、同じ物のダブリよりはそちらのバージョンが欲しい所なのだが…。
↑ダブリ購入の「呪いの針地獄」に挟み込まれていた、ゲームデンタク応募用の怪談絵はがきシリーズ①。これはさがみゆき(SAGA MIYUKI)筆による物で、日野日出志(HINO HIDESHI)筆による⑥以外の物を今回初めて見ました。他の物も是非見てみたい所なのですが、中古で買った本に偶々挟み込まれているのを期待するしか無いので、実際に目にするのはなかなか難しいものがあります。
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