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漫画読書日記

自己満足の為の読書感想文。

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最近購読した漫画254【古本/ホラー漫画(貸本復刻)】



 ひばり書房や立風書房・秋田書店・廣済堂出版といった描き下ろし単行本が中心のマイナーホラー漫画の世界に興味を持ち、色々集め始めて暫く経つと、今度はそれより更に過去で更にマイナーな貸本漫画の方に興味の対象が移るのも道理というもの。とは言え1冊何千円から何万円もする様な物に素人が迂闊に手を出せる訳もなく、まずはそういった貸本漫画を纏めて紹介してくれているアンソロジーや解説本の類いから手始めに読み始めるのも、これ又至極当然の流れというものです。そうした貸本漫画アンソロジーや貸本漫画の復刻版も、1990年代から現在に掛けて割と数多く発行されている様なのですが、余り売れなくて発行部数が少ないが故か、新刊でも古本でも殆ど見掛ける事が無い為、せっかく珍しい昔の漫画を読む機会を与えてくれていても、そもそもその機会自体が限定され過ぎている事は余りにも残念だと言わざるを得ません。こういう物こそ、ネット上でのオンデマンド販売をするべきだと思うのですが、何故かそういう積極的な動きが、出版社の方でもマニアの方でも、全く見られないんですよね。ここに商売の種が1つ転がっていると言うのに、出版業界に席を置く人達は一体何をやっているんでしょうか?何時までもプレミア価格で不当に儲けている輩を野放しにしておく法は無いと思うんですが…。今回の本は12/2・12/15に購入した物です。

 「カルトホラー漫画秘宝館 かえるの巻(Cult Horror MANGA HIHOU-KAN KAERU NO MAKI)」 唐澤俊一(KARASAWA SHUNICHI)編
 発行/ネスコ 発売/文藝春秋。1996年4月23日第1刷。貸本漫画を中心に、貸本時代に活躍した作家のマイナーテイスト溢れる貴重なホラー漫画を集めた作品集。2巻目に当たるこの「みみずの巻」には、9人の作家による8作品を収録。

 「みな殺し(MINAGOROSHI)」は1963年9月ひばり書房発行の貸本「オール怪談」45に掲載(後に19??年発行「SF&怪談」に再録)されたいばら美喜(IBARA MIKI)の作品。休みを取って故郷のM村へと帰って来ていた刑事・牧貞男(MAKI SADAO)。弟から手柄話をせがまれ、二ヵ月前に強盗殺人犯を逮捕した時の話をし始めるが、途中で言い淀み、「仕事のことを忘れたい」と言って話を止めてしまう。実は家族と共に車で逃走していた犯人の河村(KAWAMURA)は踏切で事故に遭い、両親と妻子を亡くしていたのだった。牧を逆恨みする河村は刑務所を脱走し、皿廻し芸の特技を活かして鉄の皿を操り、牧の家族や警官達の首を次々と刎ねていく。
 「足(ASHI)」は1966年2月ひばり書房発行の貸本「オール怪談」67に掲載された岩井しげお(IWAI SHIGEO)の作品。剣術の師範だった津谷一角(TSUYA IKKAKU)が亡くなり、跡継ぎの道場主・石之助(ISHINOSUKE)を気に入らぬ赤城(AKAGI)・大乃木(OONOGI)・室賀(MUROGA)の3人は、道場乗っ取りを企み、石之助を鯉ヶ沼(KOIGA-NUMA)に放り込んで溺れさせてしまう。石之助は夜釣りに行って亡くなったと妹の佐保(SAHO)を騙し、計画の成功を祝う3人だったが、溺れ死んだ筈の石之助が両腕に杖を持った姿で現れ、杖を支点に下半身を大きく振るう妙な動きで大乃木と室賀を仕留めるのだった。残る赤城は石之助に呼び出され、佐保と共に鯉ヶ沼へと向かう。一体沼で石之助の体にどの様な異変が起こったのだろうか…?
 「口裂け女(KUCHISAKE-ONNA)」は1979年?月?日ひばり書房発行の単行本「口裂け女とお墓に手首(KUCHISAKE-ONNA TO OHAKA NI TEKUBI)」に掲載されたさがみゆき(SAGA MIYUKI)の作品。口裂け女の発祥地である岐阜県から作者宛に送られて来たファンレターには、世間を騒がせている口裂け女の正体が、事故で口が醜く裂けてしまった自分の姉だという衝撃の告白が綴られていた。
 「尼寺の妖怪(AMADERA NO YOYKAI)」は1968年?月?日曙出版発行の単行本「妖怪祭り(YOUKAI MATSURI)」②巻に掲載された好美のぼる(YOSHIMI NOBORU)の作品。顔に大きなやけどの痣がある娘・美代(MIYO)を連れて尼寺へとやって来た母。住職の庵主(ANSHU)を眠らせて入れ替わった母は、寺の秘法のお経を奪い、7人の少女を攫ってその血でお経を書き写す事で、美代の顔を治そうとするが…。
 「大いなる文明(OOINARU BUNMEI)」は1967年4月25日日の丸文庫・光伸書房発行の単行本「これがSFだ!!(KORE GA SF DA!!」に掲載された山上たつひこ(YAMAGAMI TATSUHIKO)の作品。山歩きをしていた父と息子は、遺跡を発見し、自分達の先祖がやって来る以前にこの星を支配していたフロッキー族の「侵略記」を入手。その本には、かつてこの星に住んでいた人間という種族が、空飛ぶ円盤目撃に続く蛙の大発生にて村が混乱に陥れられ、蛙に似た姿のフロッキー族によって侵略されていく過程が綴られていた。
 「守護神(SHUGOJIN)」は1963年2月つばめ出版発行の貸本「怪談」54に掲載された落合二郎(OCHIAI JIROU)&サツキ貫太(SATSUKI KANTA)の作品。出入りの罪で刑務所に入っていた秀(HIDE)は、三年振りに街へと戻って来た所、ボスが妙な守護神を拝み出した為に落ちぶれてしまった永山組(NAGAYAMA-GUMI)の姿を見て驚く。偽の札束で麻薬の取引に行かされ、危うく命を落とす所だった秀は、ボスに抗議するも聞き入れられず、相変わらず守護神様を崇めるボスをカッとなって撃ち殺してしまうのだった。
 「メーキャップ(Make-Up)」は1966年?月つばめ出版発行の貸本「怪談」93に掲載された関すすむ(SEKI SUSUMU)の作品。上京し看護婦として病院に住み込みで働き始めた主人公。院長は、何故か山川(YAMAKAWA)女史が病院に来る時だけ風呂を沸かさず、銭湯へ行く様にと主人公を追い立てる。深夜、風呂場から聞こえる物音が気になって眠れない主人公は、院長達が怪しい研究を行っているのだと疑い覗き見ると、何と院長と山川女史は、バラバラ死体を洗って縫い合わせ、綺麗にメーキャップを施す仕事をしていたのだった。
 「私は知っている(WATASHI HA SHITTEIRU)」は19??年?月つばめ出版発行の貸本「オール怪談別冊 幽霊」7に掲載された多摩海人(TAMA UMIHITO)の作品。霧が立ち込める朝、桜木山(SAKURAGI-YAMA)の山上に突如として現れた怪し気な邸。誰も居ない真っ暗な部屋の中から気味の悪い笑い声が聞こえてくるその邸を、村人達は化け物屋敷だと恐れるが、その邸には、十年前に誘拐犯に攫われた娘が見付からぬまま町を去った山崎(YAMAZAKI)一家に纏わる、ある悲しい経緯が関係していたのだった。それを知るのは作者の多摩海人のみ…。

 時代劇1本、未来物1本、描かれた時代より10年後という近未来を含め、他は全て現代を舞台にしているが、殺人鬼物や都市伝説系、ヤクザ物、幽霊物等、内容はかなりバラエティーに富んでいる。


 「カルトホラー漫画秘宝館 みみずの巻(Cult Horror MANGA HIHOU-KAN MIMIZU NO MAKI)」 唐澤俊一(KARASAWA SHUNICHI)編
 発行/ネスコ 発売/文藝春秋。1996年4月23日第1刷。貸本漫画を中心に、貸本時代に活躍した作家のマイナーテイスト溢れる貴重なホラー漫画を集めた作品集。2巻目に当たるこの「みみずの巻」には、9人の作家による8作品を収録。

 「心臓の妖怪(SHINZOU NO YOUKAI)」は1968年9月25日曙出版発行の単行本「妖怪祭り(YOUKAI MATSURI)」に掲載された好美のぼる(YOSHIMI NOBORU)の作品。胸部外科の大家・楠木(KUSUNOKI)博士は、日本で最初に心臓移植を行う栄誉が得られなかった事を、娘のアヤ子(AYAKO)と妻から責められていた。そんな折、心臓の異常肥大で病院に運び込まれて来た少女・つる子(TSURUKO)。心臓移植以外に助かる道の無いつる子の為に心臓提供者を捜していた所、アヤ子が交通事故に遭い、脳波が停止した娘の心臓を、楠木博士はつる子に移植する。手術は成功し、つる子は一命を取り留めるが、実はまだ生きていたアヤ子の心臓はつる子の意識を乗っ取り、自分を殺した父に復讐するべく、病院内で様々な悪事を働くのであった。
 「妖蛇伝(YOUJYA-DEN)」は19??年すずらん出版発行の貸本「オール怪談集」に掲載された咲花洋一(SAKIBANA YOUICHI)の作品。庭で白骨死体を発見した菊丸(KIKUMARU)は、自分が二十年前の落城時に遺臣により難を逃れた黒雲城(KOKUUN-JYOU)の城主・秋月信定(AKIDUKI NOBUSADA)の一子であり、白骨はその遺臣の物であった事を父・稲田伝蔵(INADA DENZOU)から知らされる。遺臣が遺した蛇を操る笛を使い、秋月家再興の為に隠された財宝を探す伝蔵であったが、老中・熊木大膳(KUMAKI DAIZEN)と密通していた金三郎(KINZABUROU)により笛を奪われ、一家全員無残にも殺されてしまう。そして蛇の姿となり化けて出た稲田一家による、彼等への恐ろしい復讐が始まるのだった。
 「足(ASHI)」は19??年セントラル文庫発行の貸本「怪談 呪殺やけど人形(KAIDAN JYUSATSU YAKEDO-NINGYOU)」に掲載されたいなば哲(INABA TETSU)の作品。雨の中、岩場でタコを捕えた浪人者の松方(MATSUKATA)と猿田(SARUTA)。家でタコを肴に一杯やっていた所、見知らぬ少女が庭に迷い込んで来る。母を捜していると言うその少女を、翌日には売り飛ばして大金をせしめようと企む2人は、親切にする振りをして少女が逃げぬ様見張る事にするが、居眠りをした隙を突いて首を絞めに現れた少女の腕は、何とタコの足であった。
 「殺してしまえ(KOROSHITE SHIMAE)」は19??年?月?日ひばり書房発行の単行本「こわい怪談(KOWAI KAIDAN)」①巻に掲載された池川伸治(IKEGAWA SHINJI)の作品。とある人気女優の邸で雇われている恵子(KEIKO)は、横暴な主人に我慢ならず、コーヒーに毒を入れて持って行くが、落ち着きの無い態度を怪しまれて逆にそのコーヒーを飲まされ、苦しんだ末に倒れて死んでしまう。実はこれは映画の撮影であり、恵子役のひとみ(HITOMI)は、素晴らしい演技だったと褒められるが…。
 「洗脳(SENNOU)」は1967年ひばり書房発行の貸本「オール怪談」83に掲載された関すすむ(SEKI SUSUMU)の作品。半年前に死んだ筈の辰(TATSU)が生きていて、新進の建築家として名を馳せている事を不審に思った暴力団の親分は、部下の矢吹(YABUKI)に命じて辰の事を調べさせる。するとそこには地球侵略を企む宇宙人の大いなる野望が隠されていた。社会の鼻つまみ者のやくざに目を付け、細胞光子移植機を使って細胞分子化された宇宙人を体内に侵入させる事で、やくざ達を次々と宇宙人に作り変えていたのだ。残る組員は親分と盲目の座頭市太郎(ZATOU ICHITAROU)だけとなり、敵の本拠地に乗り込む2人だったが…。
 「港町(MINATOMACHI)」は1964年4月つばめ出版発行の貸本「怪談」66に掲載されたいばら美喜(IBARA MIKI)の作品。額に弾痕のある不気味な男が夜の港に現れ、呼び出した大野(OONO)の額を自分と同じ様に拳銃で撃ち抜く。男は二ヶ月前に起こった質屋強盗事件の目撃者であり、犯人に雇われて男を撃ち殺した殺し屋の大野に復讐をしたのだと言う。今ではバーのマスターをやっている犯人を誘き出して欲しいと頼まれた主人公だが、実はその男こそが犯人であり、大野は刑事、マスターは目撃者なのであった。復讐を終えた男は、主人公をも殺して道連れにしようと拳銃を向けるが…。
 「天国と地獄(TENGOKU TO JIGOKU)」は1963年1月つばめ出版発行の貸本「怪談」53に掲載された落合二郎(OCHIAI JIROU)&サツキ貫太(SATSUKI KANTA)の作品。時代の流れに従い、父から受け継いだ暴力団・小桜組(KOZAKURA-GUMI)を解散して堅気になろうとする若大将。しかしそれに反発するケン(KEN)は、自分を新生小桜組のボスに頂くと言う三公(SANKOU)の口車に乗せられて若大将を撃ち殺すが、三公に騙されていた事を若大将の幽霊から知らされる。
 「怪談野郎(KAIDA-YAROU)」は19??年文洋社発行の貸本「怪談クラブ2」に掲載された加東一彦(KATOU KAZUHIKO)の作品。世紀の大魔術師として名を馳せるスペード・大川(Spade OOKAWA)は、変装等様々な天才的魔術を使って、殺し屋・平手(HIRATE)を雇い父を殺した大沼(OONUMA)に近付き、大沼と平手への復讐を成し遂げる。


 「貸本まんが復刻版 墓場鬼太郎」 水木しげる ①巻
 角川書店 角川文庫。2006年8月25日初版発行。
 
 「マンガゾンビ(MANGA Zombie)」 宇田川岳夫(UDAGAWA TAKEO)
 太田出版 ¥800本。1997年8月19日第一刷発行。


 「まんがの逆襲 脳みそ直撃!怒濤の貸本怪奇少女マンガの世界」 唐沢俊一監修
 光文社 光文社文庫。1998年4月20日初版1刷発行。
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