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漫画読書日記

自己満足の為の読書感想文。

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最近購読した漫画228【古本/ホラー漫画(角川書店)】



 今回の本は7/22・7/27・8/6・10/14に購入。偶々見掛けて興味を持った物を買い集めただけであって、狙ってこういう組み合わせにした訳ではないのですが、「世にも奇妙な物語」とか「奇跡体験! アンビリバボー」とか、どうもフジテレビの番組のコミカライズ作品が目立つ様です。まぁ、どれも10年も前に発行された本なので、現在のフジテレビの状況とは何ら関係は無いと思いたい所ではあるのですが、それでも韓流ゴリ押しや侮日・反日といった偏向報道を繰り返しているフジテレビの関連作品を手にする事に、全く抵抗が無い訳ではありません。
 ただ、「世にも奇妙な物語 コミックの特別編(YO NIMO KIMYOU NA MONOGATARI Comic NO TOKUBETSU-HEN)」の巻末に掲載されている広告を見ると、ホラー小説やホラー映画・ホラーゲームといった様々な他ジャンルのホラー作品が、この時期次々と漫画化されていた様なので、決して角川書店が「フジテレビのドラマ」だけを特別扱いしていた訳では無さそうです。稲川淳二(INAGAWA JYUNJI)の怪談の漫画化も、ホラー漫画に力を入れていた時期の、手広く題材を求める方針の一環だったのかも知れません。

 「魔女地獄 ~古賀新一傑作集~(MAJYO JIGOKU ~KOGA SHINICHI KESSAKU-SHUU~)」 古賀新一(KOGA SHINICHI)
 角川書店 角川ホラー文庫。1995年1月10日初版発行。1970年~1989年に発表された読み切り作品や、連載作品から選り抜かれたエピソードを全13本収録したホラー作品集。

 「復讐(FUKUSHUU)」は連載漫画「魔女黒井ミサ(MAJYO KUROI MISA)」の第1話で、「月刊少年チャンピオン」1980年8月号に掲載。父の遺産を養女の美奈(MINA)に奪われまいと、彼女を刺し殺した兄。しかし盲腸炎の手術の際に黒井(KUROI)医院の院長によって切り取られた腸の一部が、魔法医学により栄養分を与えられ、生きていたのだった。
 「死霊の唄(SHIRYOU NO UTA)」は連載漫画「魔女黒井ミサ」の第?話で、「月刊少年チャンピオン」1982年4月号に掲載。他人にひきずられ易い性質の桜田(SAKURADA)先生。彼女が醜い虫を集めているのはホトトギスの餌にする為であり、そしてそれは昨年自殺した大西(OONISHI)先生にひきずられているのが原因であった。
 「ツキを逃がした男(TSUKI WO NIGASHITA OTOKO)」は連載漫画「魔女黒井ミサ」の第?話で、「月刊少年チャンピオン」1982年6月号に掲載。ミサ(MISA)の占い通り、五百万円もの大金を拾うというツキを得た、借金塗れの中小企業の元社長。彼は拾った金で借金を返そうともせず、ミサを連れて旅行に出掛け、僅か一週間でパーッと使い切ってしまう。
 「たたり(TATARI)」は連載漫画「魔女黒井ミサ」の第?話で、「月刊少年チャンピオン」1982年8月号に掲載。死んだ妹の恵理(ERI)にそっくりの記憶喪失の少女と出会い、自分の家に連れ帰ったミサと母。少女の父はカエル料理を得意とする料理人であり、ガマガエルのたたりが少女やミサに降り掛かる。
 「鶏を飼う女(NIWATORI WO KAU ONNA)」は連載漫画「魔女黒井ミサ」の第?話で、「月刊少年チャンピオン」1982年10月号に掲載。乗せて貰ったトラックが事故を起こして民家に飛び込んだ際、女主人の景子(KEIKO)とお手伝いさんの二人暮らしの筈のその家に、顔が醜く腫れ上がった恐ろしい女の姿を目撃したミサ。それを聞いた景子は自分が殺害した姉の事を思い出し、気が変になっていくのだった。
 「笑う女(WARAU ONNA)」は連載漫画「魔女黒井ミサ」の第?話で、1983年描き下ろし。母や姉達に甘やかされて育った所為で乳離れ出来ず、その事を他人から笑われる事に異常な程神経質になってしまった男・正巳(MASAMI)。彼は自分の人嫌いの決定的な原因となった初恋の女性に再び笑われた事で、彼女を攫って拷問に掛け、殺してしまう。
 「石化粧(ISHI-GESHOU)」は「月刊MACO」1986年8月号に掲載。西郷(SAIGOU)家の庭にある人面石に化粧を施し、願を掛けると、どんな願い事でも叶うと言う。夫を亡くし2人の子供を抱えて1人働く娘の為にお金を願った祖母の願いと、アイドル歌手になる事を願った結子(YUUKO)の願いはどちらも叶うが、祖母が寝込んで人面石の手入れが出来なくなってしまった為に、家族に災いが降り掛かる。
 「妖子(YOUKO)」は「月刊ホラーハウス」1987年5月号に掲載。小学生の頃から仲が良く、結婚して海外で生活していた健二(KENJI)とマリ子(MARIKO)が、十年振りに故郷の田舎町へと帰って来た。幼馴染みの千代(CHIYO)と出会い、昔話に花を咲かせる3人だったが、小学五年生当時健二を奪われた事に嫉妬してマリ子に嫌がらせを繰り返していた妖子は、二十年経った今も心は幼き日のまま、マリ子の事を呪い続けていたのだった。
 「養殖(YOUSHOKU)」は「月刊ホラーハウス」1987年6月号に掲載。食い道楽でナマコが好物の沼田(NUMATA)は、自宅でナマコを養殖する実験をしていた。ある雷雨の夜、ナマコが一番好む餌は人肉だと気付いた沼田は、浮気をしている妻と浮気相手の男を殺してナマコの餌にする。
 「変身妻(HENSHIN-DUMA)」は「月刊ホラーハウス」1987年7月号に掲載。家に訪ねて来た部下の前で、妻に荒っぽく命令して亭主関白を気取る影山。しかしほんの十日程前まで彼は妻に頭が上がらぬかかあ天下だったのだ。変化の理由は、ある怪しい中華料理店にて、弱っている胃の交換手術を受けた事にあった。
 「さまようミイラ(SAMAYOU Mirra)」は連載漫画「魔女黒井ミサ」の第?話で、「月刊少年チャンピオン」1982年12月号に掲載。街でミイラの様な外見の男に誘われ、目玉料理を食べに行ったミサ。後日確かめに行ってみた所、その家は料理店ではなく、死体に化粧を施す事を生業にしている老人が1人で暮らしており、ミサは死体が生者の様に感情を持ち、話したり動いたりしている事実を目の当たりにする。
 「黒バラの会へようこそ(KUROBARA-NO-KAI HE YOUKOSO)」は「NEWパンチザウルス」1989年7月4日号に掲載。団地へ引っ越して来て間も無い26歳の美人OL。彼女は団地の住人の殆どが入会していると言う「黒バラの会」への誘いを断った事から、送り込まれた蜘蛛の大群に寄生され…。
 「餓鬼(GAKI)」は「週刊少年キング」1970年11月15日号に掲載。継母に邪魔者扱いされ、妊娠中の犬のポチと共に団地の地下室へと閉じ込められてしまった雄一(YUUICHI)。二日経ち一週間経ち、空腹も限界に達した雄一はポチが産んだ子犬に喰らい付き、ポチの逆襲に遭う。十日目にようやく様子を見に来た継母が見た物は…。
 巻末に石子順(ISHIKO JYUN)による解説を収録。

 「魔女地獄」のタイトル通り、「魔女黒井ミサ」からの選り抜きエピソード以外にも、妖子や「養殖」及び「変身妻」の悪妻、黒バラの会の会員達や「餓鬼」の継母等、「魔女」と呼ぶに相応しい悪女が登場する作品を中心に纏められている。とは言え「魔女黒井ミサ」のエピソードでは、必ずしもミサが恐れられる立場とは限らず、ミサ自身が不思議な事件に巻き込まれて悲鳴を上げる立場になる事もあるし、妖子には同情すべき点もあり、「養殖」や「変身妻」の悪妻は、さえない夫にそぐわぬ若くて美しい妻である為、殺されて死体まで粗末に扱われるのはちょっと気の毒にも思えてしまう。男の歪んだ欲心や復讐心の方こそが結果的には恐ろしいと思える話も幾つかある為、全作品に共通点を見出す事は難しいが、唯一ハッピーエンドを迎える「石化粧」を含め、いずれも人間の醜い面を赤裸々に描いている事には変わりなく、暗く陰鬱な気分にさせられる一方で、悪人が報いを受けて死亡する展開には、少なからず爽快感も感じさせられる。
 最も恐ろしい作品は「餓鬼」であり、何の救いも無くただひたすらに悲惨な状況が余りにもリアルに、且つ淡々と綴られていく。唯一ポチが生き残った事はまだ「良かった」と思えるかも知れないが、子犬も恐らくは全滅してしまった上に、人肉の味を覚えたポチがこの後まともな生を送れるとは到底思えず、身勝手な親が引き起こした罪悪は余りにも深く大きいと言わざるを得ない。収録作品の中では一番古い作品だが、児童虐待やパチンコに夢中になって子供を死なせる様な鬼畜親が後を絶たない現在に於いて、是非とも戒めとして多くの人に読んで貰いたい作品でもある。


 「犬神家の一族(INUGAMI-KE NO ICHIZOKU)」 横溝正史(YOKOMIZO SEISHI)&JET 上巻
 角川書店 あすかコミックス。1999年9月17日初版発行。

 「世にも奇妙な物語 漫画の特別編(YO NIMO KIMYOU NA MONOGATARI MANGA NO TOKUBETSU-HEN)」 桜水樹(SAKURA MIZUKI)&小林D通孝(KOBAYASHI D MICHITAKA)&浜田芳郎(HAMADA YOSHIROU)&高瀬志帆(TAKASE SHIHO)
 角川書店 ホラーコミックス。2000年11月10日初版発行。2000年11月3日に公開された映画「世にも奇妙な物語 映画の特別編」のコミカライズ版で、独立した4本の〝奇妙な〟物語を纏めたオムニバス。

 「雪山(YUKIYAMA)」は脚本:鈴木勝秀(SUZUKI KATSUHIDE)、監督:落合正幸(OCHIAI MASAYUKI)、作画:桜水樹。雪山に飛行機が墜落し、生き残った男女5人が山小屋に向かう。途中、足を負傷し危険な状態のマリ(MARI)をビバークの名目で穴を掘って埋めるが、後に山小屋を見付け迎えに戻った際、掘り出そうとした時に誤ってスコップで首を傷付け、死なせてしまう。そして山小屋にて4人の身に恐ろしい出来事が…。
 「チェス(Chess)」は脚本:中村樹基(NAKAMURA SHIGEKI)、監督:星護(HOSHI MAMORU)、作画:小林D通孝。チェスの世界チャンピオンだった加藤(KATOU)は、チェス用スーパーコンピュータ・スーパーブルーに敗北した事で精神が不安定となり、妻もチェスも捨てて酒に溺れる日々を送っていた。ある日富豪の老人に持ち掛けられたチェスの勝負を受けた加藤だが、ゲーム上で自分の駒が奪われる度に、周囲の人々が殺されたり自宅が奪われるといったペナルティを受け、徐々に追い詰められていく。
 「携帯忠臣蔵(KEITAI CHUUSHINGURA)」は原作:清水義範(SHIMIZU YOSHINORI)、脚本:君塚良一(KIMIDUKA RYOUICHI)、監督:鈴木雅之(SUZUKI MASAYUKI)、作画:浜田芳郎。吉良上野介(KIRA KOUZUKENOSUKE)への討ち入りに尻込みしていた大石内蔵助(OOISHI KURANOSUKE)の元へ、300年後の未来から送られてきた携帯電話。歴史上の事件が本当にあったのかどうか調べていると言う携帯電話の主と話す内、大石内蔵助は討ち入りへの決意を固めていく。
 「結婚シミュレーター(KEKKON Simulator)」は脚本:相沢友子(AIZAWA TOMOKO)、監督:小椋久雄(OGURA HISAO)、作画:高瀬志帆。結婚式場の最新サービスである、結婚後の未来を擬似体験出来るという結婚シミュレーターのサービスを受けた有一(YUUICHI)と千晴(CHIHARU)。朝食の目玉焼きに何を掛けるかといった些細な事から、子供の名前や妻が働きに出るといった様々な事で衝突を繰り返した2人は、シミュレーション終了後喧嘩をして別れる事になるが…。

 「雪山」は4本中唯一のホラー作品であり、かなり怖い話ではあるのだが、ラストの解釈にかなり戸惑った。恐らくは首を突き刺されて死んでしまったマリの体が、友人の女性(漫画では名前は出て来ないが、映画版では美佐(MISA))の首を自分の体に挿げ替えて動き回っていたのだろう。マリの復讐心と美佐の罪悪感が絡み合って起こった出来事だったという事だろうか。「チェス」は大掛かりな仕掛けを使ったサスペンス要素の強い凝った話で、何故加藤は用意された全ての仕掛けに、こうも上手く嵌るのだろうか?といった突っ込み所は無視して、素直に「大掛かりな仕掛け」を楽しむのが作品に対する正しい接し方なのだろう。「携帯忠臣蔵」はギャグっぽいキャラが最後は格好良く締めてくれるという、バトル&ギャグ系少年漫画の王道にも通じる物がある様に思えたが、終始淡々とした口調で大石内蔵助の事を持ち上げたり突き放したりする携帯電話の主の話し方が、丸で特権階級者が自分の思惑通りに相手を掌の上で躍らせている様にも思えて、かなりイライラさせられた。「結婚シミュレーター」は凝った二段オチで最後はハッピーエンドで締めてくれたものの、子供の名前を母親の言う通りに付けなければならなかったり、つまらない事ですぐ怒る様な男と一緒になったら、結局苦労するだけだと思うのだが…。果たしてハッピーに締め括って良いものだろうか?
 ホラーの「雪山」、サスペンスの「チェス」、コメディの「携帯忠臣蔵」、ハートフル・ラブロマンスの「結婚シミュレーター」と、それぞれに作風の合う作家を起用する事で、正に「そのジャンルが得意な監督がそれぞれのドラマを担当した」といった所まで忠実に再現している様に思える点には、非常に感心させられたのだが、漫画にした事で、実写だと不自然に思える様な人物の言動が補正されている場合もある一方、「何故ここで大声を張り上げるのだろうか?」「何故ここでこんな行動を取るのだろうか?」といった不自然さがより極まってしまっている場合もあるなど、全体的に日本の実写ドラマの問題点が浮き彫りにされている様な印象を受けた。細かい違いはあるものの、概ね原作に忠実に漫画化されている様だが、漫画として自然に読む為にも、各作家による多少のアレンジを許しても良かったのではないかと思う。


 「世にも奇妙な物語 コミックの特別編(YO NIMO KIMYOU NA MONOGATARI Comic NO TOKUBETSU-HEN)」 新井理恵(ARAI RIE)&津上柊子(TSUGAMI TOUKO)&古舘由姫子(FURUDATE YUKIKO)&古結あかね(KOGETSU AKANE)
 角川書店 ホラーコミックス。2001年7月2日初版。1990年4月19日より放映開始され、現在も春と秋の番組改編時期に放映されているフジテレビの長寿番組「世にも奇妙な物語」の中から、恐怖系のエピソードを選り抜いて漫画化したホラー短編集で、4人の作家による4作品を収録。

 世にも奇妙な物語 FILE.1「不幸の伝説」
 世にも奇妙な物語 FILE.2「壁の小説」
 世にも奇妙な物語 FILE.3「シャドウボクサー」
 世にも奇妙な物語 FILE.4「逆探知」


 「コミック 奇跡体験! アンビリバボー [恐怖編](Comic KISEKI-TAIKEN! Unbelievable [KYOUFU-HEN])」 フジテレビ編
 角川書店 ザ・ホラーコミックス。2000年7月1日初版発行。1997年10月25日~現在も放映中のフジテレビの長寿番組「奇跡体験! アンビリバボー」の中から、恐怖系のエピソードを選り抜いて漫画化したホラー短編集で、[恐怖編]には1999年に発表された7人の作家による7作品を収録。

 「禁じられたスクープ(KINJIRARETA Scoop)」は「恐怖体験!アンビリバボー」1999年8月号に掲載された津上柊子(TSUGAMI TOUKO)の作品。
 「悪霊を呼ぶ禁断の儀式(AKURYOU WO YOBU KINDAN NO GISHIKI)」は「恐怖体験!アンビリバボー」2000年1月号に掲載された池田万沙子(IKEDA MASAKO)の作品。
 「芸能人「恐怖体験」実話★つまみ枝豆★白いかげ(GEINOUJIN「KYOUFU-TAIKEN」JITSUWA★TSUMAMI EDAMAME★SHIROI KAGE)」は「恐怖体験!アンビリバボー」1999年8月号に掲載された有久祐子(ARIHISA YUUKO)の作品。
 「呪いのメッセージ(NOROI NO Message)」は「恐怖体験!アンビリバボー」2000年1月号に掲載された樹澄幸呼(KISUMI SACHIKO)の作品。
 「はまみさんの呪い(HAMAMI-SAN NO NOROI)」は「恐怖体験!アンビリバボー」1999年8月号に掲載された円山みやこ(MARUYAMA MIYAKO)の作品。
 「死神少女(SHINIGAMI-SHOUJYO)」は「恐怖体験!アンビリバボー」1999年8月号に掲載された古舘由姫子(FURUDATE YUKIKO)の作品。
 「霊視体験! アンビリバボー(REISHI-TAIKEN! Unbelievable)」は「恐怖体験!アンビリバボー」1999年8月号に掲載された藤弓郷(FUJIYUMI KYOU)の作品。
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