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漫画読書日記

自己満足の為の読書感想文。

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最近購読した漫画281【古本/ホラー漫画(いばら美喜)】



 今回の本は全て2012年2/3にオークションにて購入。B級ホラー漫画及びレトロホラー漫画ファンに絶大な人気を誇るいばら美喜(IBARA MIKI)の作品です。今回購入した6冊の単行本と「カルトホラー漫画秘宝館(Cult Horror MANGA HIHOU-KAN)」に収録されていた短編2本しか読んだ事の無い私が言うのもおこがましいのですが、いばら美喜作品の魅力とは、元々漫画家志望ではなく路上で似顔絵を描いていたという経歴に起因する、スケッチ風の写実的な絵柄に、漫画のセオリーを無視した(ある意味一般的な漫画以上に「漫画らしい」とさえ言える)奇想天外なアイディアやストーリーの組み合わせの妙ではないかと思います。詳しい人に言わせれば、貸本時代の作品にこそ作者の持ち味が存分に活かされており、後年の立風書房レモンコミックス時代になるとその持ち味も薄れてしまっているとの事なのですが、個人的には、ただ奇想天外なだけだった資本時代の作品に、奇抜なアイディアはそのままに、時代が求めるストーリーへの「整合性」を持たせる事で、1980年代の新しい読者にも受け入れられ、今尚評価され続けているB級中のB級作品が生まれるに至ったのではないかという気も致します。
 「死顔に呪われた姉妹(SHINIGAO NI NOROWARETA KYOUDAI)」の明菜(AKINA)・伊代(IYO)、「午前0時の心霊写真(GOZEN REI-JI NO SHINREI-SHASHIN)」の芳恵(YOSHIE)・麻衣子(MAIKO)、「恐怖の修学旅行(KYOUFU NO SHUUGAKU-RYOKOU)」の俊彦(TOSHIHIKO)…といった具合に、刊行当時のアイドル歌手の名前が多く使われている点も、ストーリーの整合性や低年齢読者層向けの解り易い内容と共に、時代のニーズ或いは古さを感じさせない様、現代風に近付ける手段の一環だったのかも知れません。

 「死顔に呪われた姉妹(SHINIGAO NI NOROWARETA KYOUDAI)」
 いばら美喜(IBARA MIKI)

 立風書房 レモンコミックス 恐怖シリーズ。1984年7月15日第一刷発行。立風書房レモンコミックス恐怖シリーズに於けるいばら美喜2作目となる描き下ろしホラー単行本。

 明菜(AKINA)・伊代(IYO)姉妹は、お使いの帰りに、尋ね人を捜しにこの町に来たと言う旅人の母娘に話し掛けられるが、娘の直美(NAOMI)が崖から落ちそうになった鞄を取ろうとして柵が壊れ、直美を助けようとした母共々真冬の海へと落ちて行方不明となってしまう。海に落ちた母娘は結局見付からず、一ヵ月経って明菜も伊代もあの母娘は死なずに助かったのだと思い始めていた頃、明菜の肩に異変が起こり始める。当初は小さい出来物の様だった赤い痣が段々大きくなり、遂にはハッキリと人の顔をした人面疽になってしまったのだ。心霊学者の中沢(NAKAZAWA)によると、海に落ちて死んだ母親が、死んでも死に切れぬ理由から、近くに居た明菜の生命にすがって人面疽となり生き延びたとの事。人面疽を取り除く為、母親の希望である尋ね人の老婆を捜し始めた一行だが、思い余った明菜が崖から飛び降りて自殺まで図ろうとする一方、伊代の方にも、何故か振り向きもせずに後ろの状況を言い当てるといった異変が起こり始める…。

 母親の人面疽は「子供の頃生き別れた母に会いたい」という切実な願いを持って現れたのであり、どちらかと言うと気の毒な立場なのだが、無表情な死に顔の人面疽がとにかく不気味で怖過ぎる。全体的に解り易いストーリーは、低年齢の読者層を意識した結果ではないかと思われるが、この人面疽の不気味さは低年齢層にはトラウマ級だろう。明菜に取り憑いた母親の人面疽は、病院へ行く為にコートを着た明菜への「コートの型が崩れている」と言う母のセリフで、コートの上からでも明確に解る程に人面疽が育ち切ったのだという事を暗に示す演出、伊代に取り憑いた直美の人面疽は、一度は服を脱がせて「伊代の肩に取り憑いたのではない」と読者を安心させておきながら、後ろから飛んで来たボールを振り向きもせずに避けるといった伏線から、肩よりももっと嫌な部分に人面疽が取り憑いている事を予感させる演出が成されており、2つの人面疽の登場に、それぞれ違った恐怖感を与える様工夫されている点はお見事。
 最後は人面疽母娘共々尋ね人の老婆と出会う事が出来てハッピーエンド。殆ど喋らず表情も変えなかった人面疽が、最後だけ笑顔になっていた点は微笑ましいと言えるが、不気味である事には変わりないかも…。


 「午前0時の心霊写真(GOZEN REI-JI NO SHINREI-SHASHIN)」
 いばら美喜(IBARA MIKI)

 立風書房 レモンコミックス 恐怖シリーズ。1985年4月15日第1刷発行。「怪奇シリーズ」と銘打たれた、立風書房レモンコミックス恐怖シリーズに於けるいばら美喜3作目となる描き下ろし単行本。背表紙のナンバーは93。

 一年前に転校した友人・芳恵(YOSHIE)の「一年後に会いに来る」という約束を信じて、当日夜遅くまで待ち続ける麻衣子(MAIKO)。雨の中、来る筈が無いと両親と兄は先に寝てしまい、麻衣子も諦め掛けていた午後11時59分、ようやく芳恵はやって来た。交通事故に遭い今日まで入院していたと言う芳恵は、短い会話の後逃げる様に立ち去ってしまう。芳恵の引っ越し先が菅沼市(SUGANUMA-SHI)と聞き、翌日菅沼市の従兄弟の家に向かう兄に付いて行く事にした麻衣子。途中、神社の前を通り掛かった時に、巫女に赤ん坊を抱いてくれる様頼まれた2人は、お礼に厄除けのお守りを貰う。兄と従兄弟の宏志(HIROSHI)の目的は、四年に一度午前0時に町外れを通るという鬼女の御所車の伝説を確かめる事であった。しかし御所車を見た者は、皆八つ裂きにされて殺されてしまうと言う。麻衣子も兄と宏志の計画に付き合い、沼べりのボート小屋に隠れて午前0時を待つ3人だったが…。

 巻末の作者からのメッセージで「三つの話をもとに、一つの作品にまとめてみました」とある通り、麻衣子の友人・芳恵の死に纏わる話、怪しい巫女からドンドン重くなる奇妙な赤ん坊を抱かされる話、鬼女の御所車の伝説という三つのエピソードが組み合わさって、大きな1本のストーリーが紡ぎ出されている。主たるエピソードは鬼女の御所車の伝説を確かめようという計画だが、他の二つも重要なエピソードであり、特に死を賭して約束を守り、死後も麻衣子を守ってくれた芳恵のエピソードは、涙無くしては読む事が出来ない。優雅な出で立ちの清涼納言(SEIRYOU NAGON)が、こちらの姿を見咎めた途端鬼女の姿へと変貌し、次の瞬間有無を言わさず体が八つ裂きにされてしまう描写は余りにも恐ろしく、直接何かをされる訳でもなく、どれだけ離れていようとも、ただ睨まれただけで八つ裂きにされてしまうのでは、防ぎ様が無いというものだ。その鬼女の力の強さ故に、お守りの御利益の凄さと有難みや、芳恵の友情がどれ程厚い物であったかが、よく解るというものだろう。


 「恐怖の修学旅行(KYOUFU NO SHUUGAKU-RYOKOU)」
 いばら美喜(IBARA MIKI)

 立風書房 レモンコミックス 恐怖シリーズ。1985年8月15日第1刷発行。「学園恐怖シリーズ」と銘打たれた、立風書房レモンコミックス恐怖シリーズに於けるいばら美喜3作目となる描き下ろし単行本。背表紙のナンバーは101。

 修学旅行を明日に控えた帰り道、笹山(SASAYAMA)中学3年B組の生徒達は、橋の下の穴に入って行った黒い影を猪だと思い込み、穴から追い出そうと石や竹竿を投げ付ける。担任の高山(TAKAYAMA)先生に注意されて生徒達は解散するが、一足遅れてやって来ためぐみ(MEGUMI)・ヨーコ(YO-KO)・俊彦(TOSHIHIKO)の3人は、穴から出て来た不気味な男の首に竹竿が突き刺さっているのを見て仰天。救急車を呼ぼうとするが、男は何食わぬ顔で竹竿を引き抜き、又穴の中へ戻って行った。そして修学旅行当日。京都の旅館から、何故か行く先々で同じ老人を見掛ける事を不審に思うめぐみ。奈良の法隆寺夢殿前で記念写真を撮った瞬間、めぐみ達4人を残して3年B組の生徒が全員消えてしまう。彼等は皆、修学旅行の間中ずっと付き纏っていた謎の老人により魔界へと送り込まれてしまったのであり、それは老人の仲間に危害を加えた事に対する復讐であった。

 金閣寺・清水寺・四条河原町・嵐山・天竜寺庭園・奈良の大仏・春日大社・ささやきの小道・薬師寺・法隆寺…と、修学旅行の行き先がかなり細かく描写されているが、この間は謎の老人が付き纏って来る以外に、特に何も事件は起こらない。魔界へ送り込まれてからが生徒達への復讐の本番開始となるのだが、本来復讐されるに値する生徒達は殆ど皆一斉に木にされてしまい、余りにも呆気無く復讐は終了してしまう。むしろ復讐される謂れの無いめぐみ・高山先生・ヨーコ・俊彦の方が、魔界を彷徨った分恐ろしい目に遭わされていると言えるが、何と言っても作中で一番酷い目に遭ったのは、石を投げられ竹竿を突き刺され、体を燃やされ骨になった挙句粉々に崩れてしまった案内人の男であろう。不気味な外見に似合わず優しい性格で「復讐する気などまったくなかった」と言う男は、理由を付けて人々を甚振りたいだけの魔界の住人達の出汁にされてしまっただけだったのかも知れない。足から根が生えている大内(OOUCHI)→下半身が木の根と化しているミーコ(MI-KO)→首から下が全て根になってしまった宮沢(MIYAZAWA)という三段構えの恐怖演出は、常套手段ながらも非常に効果的。目から火を放つという異色の能力を持った案内人の少女と男との激しい対決シーンも見所だ。


 「恐怖の体育祭(KYOUFU NO TAIIKU-SAI)」
 いばら美喜(IBARA MIKI)


 「死神がくる!(SHINIGAMI GA KURU!)」
 いばら美喜(IBARA MIKI)


 「謎の恐怖少女(NAZO NO KYOUFU-SHOUJYO)」
 いばら美喜(IBARA MIKI)

 立風書房 レモンコミックス 恐怖シリーズ。1988年4月15日第1刷発行。「学園恐怖シリーズ」と銘打たれた、立風書房レモンコミックス恐怖シリーズに於けるいばら美喜7作目となる描き下ろし単行本。


 ↑2012年01月に購入した新刊34册+ゲームソフト1本
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