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漫画読書日記

自己満足の為の読書感想文。

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最近購読した漫画206【古本/ホラー漫画】



 今回の本は全て8/19に購入。

 「まものなまもの(MAMONO NA MAMONO)」 辻よしみ

 「あかりとシロの心霊夜話⑧ 疑惑の刻印」 西尚美

 「誰かがそこにいる」 阿南まゆき他

 「髑髏のはらわた(DOKURO NO HARAWATA)」 小野双葉(ONO FUTABA)
 リイド社 リイド文庫。1997年6月26日1刷発行。「恐怖の館DX」1992年Vol.1~1994年Vol.19に不定期連載された「髑髏のはらわた」シリーズ全5話と、1986年~1987年に発表された短編2話を収録したホラー作品集。
 「Vol.1 マイ・ホーム・タウン(My Home Town)」は1992年「恐怖の館DX」Vol.1に掲載。上司と喧嘩ばかりして仕事が長続きせず、転職を繰り返している父と、そんな父に振り回されて、引越しや転校を余儀なくされている真智子(MACHIKO)。引越し早々人が事故で死ぬ現場を目撃し、見知らぬ少年に人殺し呼ばわりされ、更に又も上司と喧嘩して会社を辞めると言い出した父が大怪我をして入院してしまう。病院で出会った老婆や少年の話によると、この町に他所から誰かが来たり、誰かが生まれれば、代わりに誰かが死ぬ。しかし死ぬ程の大怪我をしても、代わりが来なければ誰も死なないとの事。命を取り留めた父は退院する際、上司とも和解して、仕事は続けると急に態度を変えるが…。
 「Vol.Ⅱ 蠢く街(UGOMEKU MACHI)」は1993年「恐怖の館DX」Vol.6に掲載。友人の成美(NARUMI)とボートに乗っていて池に落ちてしまった真智子は、骨だけの魚が泳いでいる不気味な光景を目の当たりにし、何故か池から随分離れた路上に放り出される。自分が池の中で見たのと同じ光景を絵に描いている男と出会った真智子は、男から「この街は生き物で、住んだ人間は皆街に同化され、街の一部となってしまう」という話を聞かされる。真智子とその男・竹流(TAKERU)は街に同化し損なった人間らしいが…。
 「Vol.Ⅲ 閉ざされた街(TOZASARETA MACHI)」は1993年「恐怖の館DX」Vol.11に掲載。「何故この街から逃げ出さないのか?」と問う真智子と共に電車に乗った竹流。2人が乗った電車は途中で捻じ曲がった空間を通り、再び元の駅へと戻って来てしまうが、街に同化している他の住人達は、誰1人その事を変に思わない。ある日真智子のクラスに転入生が来る事になり、代わりに成美が鉄骨の下敷きとなって死んでしまう。又も真智子を「人殺し」と責める少年・裕一(YUUICHI)も街に同化しなかった同胞だと知った真智子は、竹流と共に3人でこの街と戦う事を決意する。
 「Vol.Ⅳ 覚醒する街(KAKUSEI SURU MACHI)」は1994年「恐怖の館DX」Vol.18に掲載。街の事を調べ始めた3人は、まず図書館に向かい、次にかつて街に殺された竹流の兄が眠る寺へ。寺の和尚も街に同化しなかった同胞であり、魔除けの札を貰った3人は、街の心臓部と思われる社へと向かう。何事も無く社の扉に魔除けの札を貼って戻って来た真智子だったが…。
 「Vol.Ⅴ 闇に消える街(YAMI NI KIERU MACHI)」は1994年「恐怖の館DX」Vol.19に掲載。内臓の様にその姿を変え、3人を襲い始めた社。真昼間に正体を現して人を襲えば、街の人々にも目撃され、異変に気付いた街中の人が一緒に闘ってくれる筈…。そう考えていた真智子だが、街中の人々は全員眠らされ、更に街全体が姿を変えて、真智子・竹流・裕一・和尚の4人を飲み込もうと襲い来る。
 「リアル(Real)」は「ホラーハウス」1987年4月号に掲載。太っていて大きな体をしているが、何時も怖い想像ばかりしてしまい、暗い夜道をとても恐れている小百合(SAYURI)。宿題をしにノブ(NOBU)の家に行った帰り、夜道を怖がる自分を馬鹿にしたノブの発言に対して、怒った小百合は…。
 「夢魔(MUMA)」は「ホラーハウス」1986年9月号・1987年1月号に掲載。取り憑かれると、痩せ衰えて骨と皮だけにされてしまうと言う恐ろしい夢魔の存在を知った綾乃(AYANO)は、太った体を痩せさせる為に夢魔を捕え、自分に取り憑かせる。痩せて美しくなり、芸能界デビューまで果たした綾乃だったが、死の危険を前に夢魔を手放した事により、今度は元の様に太り始め…。
 全5話という話数の少なさの割に連載スパンが長い「髑髏のはらわた」だが、Vol.1の時点で既に「街と同化」「1人増えると1人死ぬ」といった基本設定は出来上がっていた為、軸はブレておらず、全体的な完成度は高い。唯一残念に思えてしまったのは、各々役目がある様な事を匂わせておきながら、結局真智子1人で解決した様に思えてしまう所。最終局面では、仲間全員が心を1つにする場面を入れた方が良かったのではないかと思う。正気に戻った父が仕事を辞めてこの街を出る事になったラストシーンでは、不甲斐無い父の堪え性の無さを初めて嬉しいと思えた真智子の気持ちと読者の気持ちがシンクロ。ヒロインの容姿に対するコンプレックスをそのまま恐怖に繋げた「リアル」と「夢魔」も完成度高し。ギャグチックに描かれたヒロインの姿に笑ってばかりいると、足元を掬われる。同タイプのホラー漫画は数多いが、「ブスだ」「太っている」と言いながら大して醜く描かれていない事が多いので、これ等の作品を是非見習って欲しい所だ。全体的にグロテスクなシーンは多いものの、残虐なシーンは意外と少ない。
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