最近購読した漫画76【古本／色々】

　古本屋で、特にジャンルに拘らずに色々な物を買い漁るのは非常に楽しいものです。何を買おうかと物色している時と、購入し家に持ち帰って何から読もうかと選んでいる時とでは、それぞれに違った楽しさがありますし、他にも「コレクションが増える」といった楽しさもあって、色々な楽しさを何度も得られるのは嬉しい限り。目的がハッキリしている場合は「物色する楽しさ」は無く、友人から読ませて貰って「自分も買おう」と思った場合も「未知なる物を新たに読む楽しさ」が無い為、これ等の場合は単純に「コレクションが増える楽しさ」にのみ集約されてしまうのですが、「誰にも遠慮せず、何時でも好きな時に読める」というのは大きなメリットだと思います。
　今回の本は11/11・11/14・11/16に購入した物ですが、この内「賭博堕天録カイジ(TOBAKU DATEN-ROKU KAIJI)」７巻と「ONE PIECE」47・48巻は、以前友人に読ませて貰って既に内容を知っている物を、自分でも所有するべく新たに買い求めた物に当たります。

　「サンダーマスク(Thunder Mask)」　手塚治虫(TEDUKA OSAMU)・・・・・「週刊少年サンデー」1972年10月8日号〜1973年1月7日号に連載された、特撮ヒーロー番組のコミカライズ作品。
　宇宙から、２つの謎の球体が地球に飛来した。それから一年後…。名古屋で開かれたＳＦ大会の帰りに巨大な猿に襲われた手塚治虫は、近くに住むＳＦファン・命光一(INOCHI KOUICHI)の世話になるが、その夜光一が変身した巨大な超人と巨大な猿との壮絶な戦いを目撃する。地球に飛来した２つの球体の内、１つは炭素を含むガス状生物のサンダー、もう１つは硅素を含むガス状生物のデカンダー。両者は共に実体のある体を欲しており、デカンダーが乗り移った物は皆石化してしまう一方、サンダーが乗り移っても人間に害は無いが、乗り移っていられる時間(光一がサンダーマスクに変身していられる時間)は十分間に限られている。
　デカンダーはサンダーの研究をしていた高瀬(TAKASE)博士を殺し、光一や手塚の命をも狙いつつ、地球上の全ての生物を石に変え、自分達にとって都合の良い環境を作り出すべく暗躍する。高瀬博士の娘・まゆみ(MAYUMI)と恋仲になる光一だが、まゆみには既にデカンダーが乗り移っていた。東京中が石化され、サンダーマスクとデカンダーの激しい戦いが繰り広げられる中、全宇宙の歴史を記した文字盤「バイブル」を解読した手塚は、デカンダーの弱点が太陽の光である事を突き止める。サンダーマスクにより大気圏外へと運ばれたデカンダーは、太陽の光によって宇宙の彼方へと吹き飛ばされて行くが、まゆみの体は石化してしまっていた…。
　物語の大半が、かなりオーバーなギャグメーカーでもある手塚視点で描かれており、シリアスなストーリーと主人公にギャグメーカーが重要キャラとして絡んで、全体の印象まで左右するという作品形態が、他のヒーロー物コミカライズ作品とは一線を画す結果となっている。一番最後のコマでいきなり五年後の事がモノローグで語られるのだが、デカンダーを地球から追い払った後、サンダーの方はどうなったのか(そのまま地球に留まったのか、デカンダーを追って宇宙へ旅立ったのか)とか、公害病で長く生きられないと言われていた光一はどうなったのか(出来れば、サンダーが乗り移った影響で公害病が治るという展開を望んでいたのだが…)といった事に全く触れられていない点が少々気になった。作者のコメントによると、もっと長く続く予定だったのが、出版社の都合で途中で終わったとの事であり、描かれなかった部分は読者の想像で補うより他は無いのかも知れない。
　特撮版「サンダーマスク」のＯＰは名曲。個性的な敵キャラも多く、是非本編を観てみたいと思うのだが、何故かソフト化されない「封印作品」となってしまっているのが残念だ。♪サンダーサンダー、サンダーサンダー、サンダーマスク〜〜♪

　「賭博堕天録カイジ(TOBAKU DATEN-ROKU KAIJI)」　福本伸行(FUKUMOTO NOBUYUKI)　７巻・・・・・

　「ONE PIECE」　尾田栄一郎(ODA EIICHIROU)　47・48巻・・・・・

　「うたわれるもの 散りゆく者への子守唄 コミックアンソロジー(UTAWARERU MONO CHIRIYUKU MONO HENO KOMORIUTA COMIC ANTHOLOGY)」　VOL.5・・・・・

　「うたわれるもの 散りゆく者への子守唄 コミックアンソロジー(UTAWARERU MONO CHIRIYUKU MONO HENO KOMORIUTA COMIC ANTHOLOGY)」　VOL.6・・・・・