最近購読した漫画214【古本／アダルト(星野ぴあす)】

　今回は、小説家・星野ぴあす(HOSHINO Pierce)がＢｅａｔ©名義で過去に発表したアダルト漫画の単行本を色々集めてみました。既に所有していて、ダブって購入した物も何冊かあります。作品の傾向としては、時代物から近未来物・ファンタジー等題材は多岐に渡り、扱われるキャラも貧乳・巨乳・ふたなり・美少年、普通の学生から悪魔・シスター・ニュースキャスター・ガソリンスタンドの店員と、キャラのバリエーションも様々。しかし「エロ漫画にちょっと変わった設定を付け加えてみた」といった単純な物ではなく、滑舌を良くする為にエロ小説を読まされるとか、悪魔の誘いに堕ちていくシスターといった具合に、シチュエーションそのものがエロに直結している所がポイントです。
　肉感的な絵柄は巨乳キャラの表現により適しており、女王様系キャラやビッチ系キャラの方が活き活きと描かれている傾向にある為、他のキャラの魅力は正直今一つの様に思えるのですが、私個人としては巨乳の女王様キャラの方が嗜好に合っていた為、全く問題はありませんでした。漫画家としての短い活動期間の中で、私が一番好きだった作品は「不思議な第３惑星(FUSHIGI NA DAI-SAN-WAKUSEI)」と「女王様仮面サディスティン(JYOOU-SAMA-KAMEN Sadistin)」。「サディスティン」の方は長編の構想もあったらしく、続編が描かれなかった事を非常に残念に思っています。
　今回の本は8/6・9/8に購入。

　「不思議な第３惑星(FUSHIGI NA DAI-SAN-WAKUSEI)」　Ｂｅａｔ©
　発行・大洋書房 発売・大洋図書 ミリオンコミックス。1992年10月15日第１刷発行。19??年～199?年に発表された、表題作全３話を含む連作物や短編全９本を収録したアダルト作品集。
　表題作「不思議な第３惑星」は「COMICマンモスクラブ」19??年?月号～19??年?月号に連載、全３話。地獄へ帰れず腹を減らしていた悪魔のアンジェリカ(Angelica)は、祐二(YUUJI)の家に忍び込んで寿司をつまみ食いしていた所、ワサビが悪魔の弱点である事を知られてしまい、祐二と逸美(ITSUMI)にペットとして飼われる事に…。雌雄同体である上にワサビが手軽に媚薬代わりになるとあって、プレイも多様且つ濃厚。爆乳＆巨根でクールなベロニカ(Veronica)お姉様がとても良い。
　「未亡人無宿(MIBOUJIN MUSHUKU)」は「COMICマンモスクラブ」19??年?月号～19??年?月号に連載、全３話。夫が死んで体の疼きを止められず、乱交に励んでいた為に嫁ぎ先を追い出された尚美(NAOMI)は、妹の芳美(YOSHIMI)の部屋へ転がり込んで、芳美の彼氏・湯原(YUHARA)も交えて乱交に。レズ→彼氏を寝取る→３Ｐと、各話毎にバラエティに富んだ性交シーンが描かれる。
　「ＴＨＥ ＣＡＴ」は「劇画コマンドー5月号増刊　COMICマンモスクラブ」1991年5月号に掲載。掲載時のタイトルは「ＴＨＥ ＣＡＴ －媚力牝猫人間－(THE CAT －BIRYOKU MESU-NEKO NINGEN－)」。猫として富豪夫婦に飼われる少女の１日を描く。本島(MOTOJIMA)夫妻・名も無い猫の少女・ふたなりメイドの沙弥(SAYA)・客の南(MINAMI)・南の飼い猫クリスティ(Christie)、計６人による乱交シーンは圧巻。
　「涙のMilky Girl(NAMIDA NO Milky Girl)」は掲載誌及び掲載時期不明、全２話。胸が大きく母乳が出る体質の泰子(YASUKO)は、彼氏に嫌われる事を恐れて、なかなか一線を越える勇気を持つ事が出来ない。深刻そうだが、かなりギャグ。ギャグの様だが、割と深刻。泰子は背が低く眼鏡っ子で巨乳というかなり狙ったキャラで、実際人気も高そうだ。
　全体的に巨乳キャラと胸の小さいキャラとの対比が目立つのだが、これは双方の需要を考慮した為か、双方を互いに引き立て役として配置した結果だろうか。ギャグ色が強くはっちゃけた内容で、エロ方面にもスポーンと突き抜けた作品が多い事もポイント。

　「Ｒａｃｈｅｌ －レイチェル－(Rachel －Rachel－)」　Ｂｅａｔ©
　発行・大洋書房 発売・大洋図書 ミリオンコミックス。1993年9月15日第１刷発行。19??年～199?年に発表された、表題作全４話を含む連作物や短編全９本を収録したアダルト作品集。
　表題作「Ｒａｃｈｅｌ」は掲載誌及び掲載時期不明、「Ｒａｃｈｅｌ 1/4」「Ｒａｃｈｅｌ 2/4」「Ｒａｃｈｅｌ 3/4」「Ｒａｃｈｅｌ 4/4」全４話の連作シリーズ。直(NAO)の家にホームスティしているアメリカ娘・レイチェルが、性に対するおおらかさで直を圧倒しつつ、特殊な性的嗜好を持つ隣家の姉弟も交えての乱交パーティーに突入する。レイチェルは、童顔に似合わぬ巨乳で性にも積極的という非常にエロ漫画向きのキャラでありながら、おおらか過ぎて却ってエロさが薄れてしまっている点が少し残念。後半は、クールな物腰でレズ気とＳ気のある隣家の姉・良恵(YOSHIE)と、両刀で女装癖とＭ気のある弟・秋彦(AKIHIKO)のキャラの方が、主役キャラの直とレイチェルを食ってしまっている印象。
　「LEATHER TIGHT」は「コミックポプリクラブ」1991年1月号 VOL.26に掲載。兄の奥さんの妹で、義理の姉に当たる恵梨(ERI)に憧れている弘樹(HIROKI)は、恵梨のレザースーツでオナニーしている所を見付かって、ちょっと嬉しいお仕置きを受ける。
　「BLAZER TIGHT」は「コミックポプリクラブ」1991年?月号 VOL.2?に掲載。「LEATHER TIGHT」の続編。恵梨の中学時代の制服を着せられた弘樹は、徐々に恵梨に調教され、女装癖にも目覚めてきた様だ。
　「外科病棟日記(GEKA-BYOUTOU NIKKI)」は「コミックポプリクラブ」19??年?月号 VOL.??に掲載。患者の徹(TOORU)からの告白を断り、後輩の裕子(YUUKO)に迫られた看護婦の宮田達美(MIYATA TATSUMI)は、子供の頃通りすがりの宇宙婦長に女にして貰った、元男だった!?
　「看護婦寮日記(KANGOFU-RYOU NIKKI)」は「コミックポプリクラブ」19??年?月号 VOL.??に掲載。「外科病棟日記」の続編。今や毎晩の様に性行為に励んでいる達美と裕子。ディルドを身に着けた裕子が、下半身は男のままの達美の後ろを犯す。
　「人妻セレナーデ(HITODUMA Serenade)」は掲載誌及び掲載時期不明。最近正美(MASAMI)に冷たくなった彼氏の岡崎(OKAZAKI)は、毎日目当ての女性店員が居るコンビニに通っていた。遂に目当ての人妻・美和子(MIWAKO)と肉体関係を持つに至った岡崎だったが、ある日その現場を正美に見られてしまい…。
　「Ｒａｃｈｅｌ」ではレイチェルと直に憧れる秋彦、良恵に憧れる直、「LEATHER TIGHT」＆「BLAZER TIGHT」では恵梨に憧れる弘樹、「外科病棟日記」＆「看護婦寮日記」では達美に憧れる徹と裕子、「人妻セレナーデ」では美和子に憧れる岡崎といった具合に、全作品で年上の男性女性に憧れる年下の少年少女の姿が描かれている。巻末の「あとがき及び作品解説」によると、シーメール・女装・やおいといったネタはこれ等の作品で初めて描いたとの事であり、「人妻セレナーデ」が後の「薫抄(KAORU Show)」のプロトタイプとなったという事実も合わせて考えると、意外と以降の作品に大きな影響を及ぼした大事な作品群が収められた単行本だと言えるかも知れない。

　「薫抄(KAORU Show)」　Ｂｅａｔ©　SIDE;Ａ
　発行・大洋書房 発売・大洋図書 ミリオンコミックス。1994年5月15日第１刷発行。「コミックポプリクラブ」1992年?月号 VOL.??～1993年6月号 VOL.55に連載された、ヒロイン・薫を取り巻く不老不死の女系一族を描いたアダルト作品。SIDE;Ａには第１話～第７話「走っておいでよ」「冬の稲妻」「今はもうだれも」「もう二度と…」「スナイパー」「つむじ風」「センチメンタルブルース」の全７話と、「暴いておやりよ」前後編、巻末には描き下ろし漫画や後書き・キャラクター紹介・ゲストのページ等、盛り沢山のおまけを収録。

　「薫抄(KAORU Show)」　Ｂｅａｔ©　SIDE;Ｂ
　発行・大洋書房 発売・大洋図書 ミリオンコミックス。1994年12月15日第１刷発行。「コミックポプリクラブ」1992年?月号 VOL.??～1993年6月号 VOL.55に連載された、ヒロイン・薫を取り巻く不老不死の女系一族を描いたアダルト作品。SIDE;Ｂには第８話～第14話＝最終話「明日への讃歌」「砂塵の彼方」「狂った果実」「血の絆」「冬の嵐」「愛の光」「美しき絆 －ハンド・イン・ハンド－」の全７話と、読み切り２作品、巻末には後書きとゲストのページを収録。

　「夢魔が棲む森(MUMA GA SUMU MORI)」　星野ぴあす(HOSHINO Pierce)
　フランス書院 フランス書院コミック文庫。1997年1月31日第１刷発行。1991年～1993年に発表されたファンタジーオムニバスシリーズを中心に、全13本の短編を収録したアダルト作品集。