最近購読した漫画161【古本/ホラー漫画(ぶんか社)】
【ホラー・ミステリー】ぶんか社発行のホラーMコミックス、ホラーMシリーズ、ホラーMコミック文庫。ぶんか社の「ホラーM」と言えば、「ゾンビ屋れい子(Zombie-YA REIKO)」の単行本のみリアルタイムで全巻買い集めていたのですが、単行本の巻末に他の単行本の広告が掲載されている事が少ない事から、他にどの作家のどんな作品があるのか殆ど解らなかった為、今までこのレーベルを狙って集めようとした事はありませんでした。しかし山本まゆり(YAMAMOTO MAYURI)の「リセットシリーズ(Reset Series)」等、ホラーMシリーズだという事を特に意識せず購入していた事は、時々あった様です。今回は出版社別・レーベル別の傾向を調べる為に、狙ってホラーM関連の単行本を集めてみました。
今回の本は4/6・4/15・5/21・6/14・6/17に購入及び入手した物。「入手」は6/14に友人から貰った「斑鳩憑霊奇譚 紅蓮(IKARUGA HYOUREI KITAN GUREN)」です。
「地下室の旋律(CHIKASHITSU NO SENRITSU)」 榎本由美(ENOMOTO YUMI)
ぶんか社 ホラーMコミックス。1994年7月1日第1刷発行。1988年~1994年に発表された、表題作を含む7本のホラー作品を収録した短編集。
表題作の「地下室の旋律」は「月刊ホラーM」1994年6月号に掲載。美しい妻に不釣り合いな醜い夫。妻は夫が大学の研究室から持ち帰る薬が無ければ生きていけない体であったが、同じ大学の若い男から薬を貰える事になり、夫に別れ話を持ち掛ける。地下室に閉じ込められた妻は薬を与えられなくなり、やがて…。
「白い呼び声(SHIROI YOBIGOE)」は「パンドラ」1988年4月号に掲載。スキャンダルを避ける為に盲腸炎を装い、入院したアイドルの高瀬梨奈(TAKASE RINA)。本来の目的は妊娠中絶であったが、その事を良く思わない看護婦から水子霊の話で脅かされ、以後様々な怪奇現象が梨奈を襲う。
「血の碑(CHI NO ISHIBUMI)」は「パンドラ」1988年12月号に掲載。行方不明となった友人・ユキ(YUKI)の手掛かりを求めて、ユキのピアノの先生を訪ねた姫華(HIMEKA)は、そのまま先生の屋敷に連れ去られてしまう。窓から抜け出し、庭の奥で多くの若い女性の惨殺死体を発見した姫華は、処女の血を浴びて若返りの儀式を行っていた先生に命を狙われるが…。
「飢餓山道(KIGA-SANDOU)」は「パンドラ」1988年1月号に掲載。行儀見習いの為、乳母に連れられて尼寺にやって来た蘇枋丸(SUOUMARU)。一心不乱に修行を続ける尼達だが、餓鬼道に堕ちた彼女達は満たされぬ食欲に勝てず、墓場から死体を掘り出し、蘇枋丸の乳母まで殺して喰らってしまう。
「蛍火の里(HOTARUBI NO SATO)」は「ビーラブミステリー」1989年2月号に掲載。田舎の大地主の穂高(HODAKA)家に嫁ぐ事になり、玉の輿に乗れたと喜ぶ奈々子(NANAKO)だったが、相手の武(TAKESHI)は妹の操(MISAO)にも奈々子にも高圧的な態度を取る一方、奈々子を一切抱こうとしない等、不審な点が目立つ。武が本当に自分と結婚するつもりがあるのかどうか疑い始めた奈々子。そして度々奈々子の前に忠告しに現れる男性は一体何者なのだろうか?
「人形たちは夜歩く(NINGYOU-TACHI HA YORU ARUKU)」は「ナイトメア」1990年2号に掲載。育ての親で人形作りの師匠でもある辻山(TSUJIYAMA)の命令で、新鋭人形作家・天野(AMANO)の助手となり、彼の人形作りの秘密を探る事になった亜梨沙(ARISA)。人間そっくりに作られたピエロの人形に惹かれていく一方、制作過程の秘密が解らず業を煮やした辻山に、人形を壊す様に命令された亜梨沙だったが…。
「白日夢(HAKUJITSUMU)」は「パンドラ」1989年9月号に掲載。過保護な母に甘やかされ、内向的な性格の広行(HIROYUKI)は、医大を目指しゼミを受ける事になるが、同じゼミを受ける為に広行の家に下宿している従兄弟のあきら(AKIRA)は、広行とは正反対の遊び人で、母の旅行中に勝手に女友達を大勢家に連れて来る。派手で遠慮の無い彼女達に家の中を荒らされ、密かに憧れていたみさと(MISATO)にまで冷たい態度を取られた広行は、遂に…。
シャープな耽美系の絵柄が独特の世界観を形成しており、対象年齢層も少し高目らしく、直接的な性行為シーンもある等、全体的にエロティックな雰囲気が漂っている。醜い容姿の為誰からも相手にされず、自ら作り上げたホムンクルスを妻にした男や、美しさを求め処女の生き血を求めるその裏に、若さへの妬みを抱えた女、実の妹としかSEX出来ず、それ故に抱えた他の女達への憎しみを、土地を守る為という過去からの因習に重ねて晴らそうとする男等、偏執的に歪んだ性格の人物が多く、「一番恐ろしいのは人間だ」という点が殆どの作品で共通して描かれている。特に「白日夢」の広行が少しずつ壊れていく様子は非常にリアリティが高く、恐怖の対象である筈の広行の方に、むしろ同調したくなる程。
必要以上に登場人物に感情移入せず、一歩離れた位置から物語を淡々と眺めているといった印象のある作風が、説得力のある人物設定とも相俟って、物語の流れを非常に自然に受け止めさせてくれる一方、悲惨なラストさえも何処か淡々と受け止めてしまって、感情の昂りが余り湧いて来ないという一面もある。それだけに、最も感情表現豊かでギャグっぽい表情も多い「蛍火の里」の奈々子には、非常に親しみが感じられた。
「学校恐怖報告(GAKKOU KYOUFU Report)」 阿部ゆたか(ABE YUTAKA)
1991年~1993年に発表されたホラー作品12本を収録した短編集。1995年8月1日初版発行。
「あなたが体験した怖い話①(ANATA GA TAIKEN SHITA KOWAI HANASHI①)」 鶴鳳(KAKUHOU)&下田果歩(SHIMODA KAHO)
霊能者・鶴鳳原案の恐怖実話をホラー漫画化した短編集で、1993年~1995年に発表された6作品を収録。各話毎に鶴鳳に拠る霊視鑑定が成されている。1996年8月1日初版第1刷発行。
「海の砂漠(UMI NO SABAKU)」 川口まどか(KAWAGUCHI MADOKA)
1999年~2000年に発表された中編ホラー作品2本を収録した作品集。2000年4月1日初版第1刷発行。
「ブラディーM 白い毒薬(Bloody M Bianca Penalosa)」 伊藤結花理(ITOU YUKARI)
2001年~2003年に発表された「ブラディーM」シリーズ4本を収録した短編集。2004年5月10日初版第1刷発行。
「斑鳩憑霊奇譚 紅蓮(IKARUGA HYOUREI KITAN GUREN)」 永久保貴一(NAGAKUBO TAKAKAZU)
1998年~2005年に発表された、表題作の「斑鳩憑霊奇譚 紅蓮」全4話を含む4作品8話を収録したホラー作品集。2009年2月20日初版第1刷発行。
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